燕市産業史料館では、10日から26日まで地場産業シリーズ「洋食器デザイン展I」を開き、燕金属洋食器工業組合が制定したデザイン審査会で登録された輸出向け金属洋食器を展示している。
昭和30年代から燕の金属洋食器の輸出は新潟県の総輸出出荷額の50%を占めるまで隆盛を極めた一方、企業間のデザイン盗用問題も大きくなった。しかし、デザインを守ろうと特許庁に登録申請しても意匠登録に1年以上もかかるため、1967年から94年まで中小企業団体法によるデザイン自主登録制度を適用してデザイン審査会を制定し、デザイン認定を行った。
デザインを登録された洋食器は1万5,000本にのぼる。日本金属洋食器工業組合は、2011年の金属洋食器製造100年の節目にそれらを同史料館に寄託し、同史料館ではそのデータベースの電子化を進めている。
それらの洋食器は、燕の洋食器産業の歴史そのものであることから、世界に飛び立った燕の産業史を垣間見てもらおうという企画展。続いて2月1日から16日まで第2弾の「洋食器デザイン展II」を開く。
今回は約240本の洋食器とそれぞれのデザイン登録カードを展示。デザインを彩色、異種素材、頭部、柄部形状、柄部形状などと分類し、さらに果物・食べ物模様、七宝、魚模様、シェル型、動物、キャラクターなどにも分類してデザインに込められたアイデアや工夫をわかりやすく見せている。
午前9時から午後4時半まで開館、会期中の休館日は14日と20日。入館料はおとな300円、小中学生100円で、土、日曜と祝日は燕市内の小中学生と付き添いの保護者1人が無料。また、13日午後2時から同史料館学芸員による解説会を開く。問い合わせは同史料館(電話:0256-63-7666)へ。