国定勇人三条市長は15日午前9時から市役所で定例記者会見を行い、原子力災害発生時の市民の避難先の確保まで視野に入れて福島県の6市町村と災害時相互応援協定を締結することなど14項目を発表した。
災害時相互応援協定の相手先は、会津若松市と喜多方市、南会津郡すべての只見町、南会津町、下郷町、檜枝岐村。30日に2市それぞれの市庁舎と南会津地方広域行政センター=南会津町=へ出向いて協定を締結する。
相互応援の内容は被災者の受け入れ以外にも食料や生活必需物資の提供、被災者の救出や医療、施設の応急復旧なども含む。県内の市町村で原子力災害を想定した自治体との相互応援協定の締結はこれが初めて。
原子力災害時の市民の避難先確保を視野に入れ、原子力災害・大規模自然災害発生時の応急対策、復旧対策を円滑に行うのが目的。南会津郡は県境を隔てて三条市と隣接、国道289号「八十里越」で結ばれるが、4町村を合計しても約2万8,000人。約10万人の三条市民すべての避難を受け入れるのは難しいため、人口約12万の会津若松市、約5万の喜多方市とも協定を結ぶことにした。
協定締結後は三条市地域防災計画(原子力災害対策編)にもそのことを記載して市民に周知し、原子力災害発生時には「南会津郡をまずは目指していこうということを合い言葉にすることができるべく普及啓発にしていかなければならない」とした。
また、開通に向けて建設工事が進む八十里越については、国土交通省事業にも趣旨を伝え、「事業促進につながると思う」とし、国交省との協議が必要だが、工事期間中でも新潟から会津方面への片方向だけでも抜けられる「命の道ともなる可能性がある道路」。どういう条件が満たされれば非常時に活用できるのか、検討を求めていく。このほかの発表項目は次の通り。