19日投開票の福島県南相馬市の市長選には3人が立候補し、15日までに三条市では12人、燕市では3人が不在者投票を行った。
市長選は9日告示され、再選を目指す現職の桜井勝延氏(58)、前市議会議長の横山元栄氏(65)、前市長の渡辺一成氏(70)が立候補した。
これに限らず不在者投票は全国どこの市区町村の選挙管理委員会でも投票できるが、東日本大震災の福島第1原発事故で今も多くの市民が市外へ避難している南相馬市の選挙管理委員会は、避難情報を提出している人には不在者投票宣誓書(請求書)を郵送する配慮をした。
対象は南相馬市に住民票を残したまま避難している人。不在者投票は10日から18日までだが、三条市と燕市は土曜18日は閉庁なので、17日までそれぞれの選挙管理委員会で投票できる。
三条市では対象者数は把握していないが、15日までに12人が不在者投票した。燕市では対象者20人のうち同じく15日までに3人が不在者投票した。
東日本大震災後、立候補した3人とも燕三条地区を訪れている。現職の桜井氏は大勢の避難者を受け入れた三条市と燕市を現職として何度も訪れた。
横山氏は昨年7月に燕市で行われた燕市と南相馬市の災害時相互援助に関する協定の調印式に市議会議長として桜井氏とともに出席。渡辺氏は3年前の東日本大震災から2カ月後、歌手で娘の渡瀬あつ子さんが三条市内の避難所の訪問に同行、来条している。
前回の市長選では、南相馬市での産廃処分場建設をめぐって反対運動に加わった桜井氏が渡辺氏を少差で勝った。東日本大震災後、桜井氏は米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。
一方で産廃処分場建設の設置許可を取り消した福島県を相手取った行政訴訟や桜井氏ら反対派が不当に工事を中断させたとする民事訴訟で損害賠償問題も起きている。
また、市議会議員補欠選も市長選と同じ日程で行われる予定だったが、立候補者が定数と同じ2人だったので無投票となった。