三条市神明町、神明宮(三上行雄宮司)は14日夜、ことしも小正月行事の神楽奉納神事を行い、奉納されたちょうちんがともる拝殿で太々神楽などを奉納した。
神明宮では、以前は八幡宮と同じく奉納されたろうそくの火をともして献灯祭を行っていた。95年に拝殿を新築してからは、拝殿保護のためにろうそくの奉納をちょうちんに替えて拝殿の壁に並べ、県指定無形民俗文化財「三条神楽」を奉納している。
この日は、午後7時から神事に続き、氷点下の冷え込みの境内でたきあげを行った。拝殿では宝生流謡曲舞囃子奉納、下田三谷保存会の尺八奉納、天照会の木遣奉納、神明宮伶人会による神楽奉納が行われた。
三条神楽は、悪魔祓の舞、大鉾の舞、羽返の舞、五穀散撒の舞など6舞が奉納された。奉納の前にはそれぞれの舞についての説明や見どころを聴きながら、暖房のきいた拝殿でゆっくりと鑑賞した。
奉納神楽の最後は、恵比寿さまと大黒さまの縁起のいい「福神遊の舞」。2人が釣りをするユーモラスな仕草には、たびたび笑いが起こった。大黒さまの大きな袋に入ったもちや菓子などの供物を参拝者に投げ与えるときには、拝殿は60人余りの参拝者でいっぱいになり、「こっち、こっち〜」、「ちょうだ〜い」と手を広げて、ばらばらと降ってくる福を楽しそうに拾い集めた。
すべての行事が終わると、三上宮司が「この一年、みなさん、よい年でありますように」と話し、参拝者全員にことしの干支のうまの根付けを授けた。