三条市保内公園の茶室「松濤庵」で25日開かれた定例呈茶は、「初釜茶会」。年始めの茶会を雪に包まれた茶室でゆっくり流れる時間のなかで味わった。
毎月第四土曜にボランティアの協力で茶席を設ける定例呈茶。新年初めての呈茶はもちろん初釜の趣向で、7人のボランティアが宗へん流で点前を披露した。
菓子は正月にふさわしくめでたい“鶴”と“亀”の2種類を用意した。床の間は、軸に三保の松原から望む富士。ヤナギが垂れ、花入れに赤いヤブツバキの花と白梅のつぼみにマツ。えとにちなんだウマの香合で飾った。
この日の三条は、ことしに入って最高の8.9度まで気温が上がる暖かい陽気に恵まれた。茶室の周囲には雪が覆っていたが、冬囲いされた植木に積もった雪はぽたぽたと雪解け水を垂らし、春が近いことを教えてくれた。
客はリピーターが多く、前回は大勢の参加で菓子が足りなくなった。今回は午前中だけで30人ほどが訪れて切れ目がなかった。
こぢんまりした茶室のなかでは、茶釜から湯気が上がり、茶道を学ぶボランティアは着物を着て茶を運んだ。新春のあらたまった気持ちや待春の期待とともに初釜の風情を味わっていた。定例呈茶は毎月第四土曜の午前10時から午後3時まで、参加費はおとな500円、小学生以下200円。詳しくは緑の相談所(電話:0256-38-5240)へ。