2月3日に三条市・法華宗総本山本成寺で行われる節分大祈願会で鬼踊りを演じる本成寺鬼踊り奉賛会(石丸幸広会長)は26日、三条市内6施設に本番より1週間余り早い鬼の出前を行った。
26日は、老人福祉関連施設を中心に訪問した。にぎわったのは、子育て拠点施設「すまいるランド」。外は今にも雪に変わりそうな冷たい雨がそぼ降ったが、館内は500人近い親子連れでぎゅうぎゅう詰めで、熱気むんむんだ。
響き渡るどらの音を合図に、金棒やおのを持った青、青、黄、緑、黒の5匹の鬼がのっしのっしと入場。本番さながらに鬼踊りを演じ、最後は紙に包まれた豆をぶつけられて退散した。
同施設を利用する子どもは、就学前の幼児が中心。最も鬼を怖がる年ごろで、鬼の登場にまるで阿鼻叫喚(あびきょうかん)の地獄絵図。大きな声で泣き叫んだ。
対照的に怖がる子どもに親は大喜び。鬼にのご利益に授かろうと、わが子を鬼に差し出し、スマホやカメラでパチリ。鬼を怖がること自体にわが子の成長を実感するという面もある。
ことしの鬼踊りは月曜なので、場所は違えど日曜に家族みんなで鬼踊りを見物できたのがうれしい。鬼は本番では参拝者の席よりかなり高くしたステージの上で踊るので、参拝者との接触は少ないが、「すまいるランド」では参拝客と同じ床の上。積極的に来場者の間に入って怖がらせ、子どもを捕まえて来たり、はって逃げようとする子どもを逃がすまいと足をつかんで捕まえたり。いわば“参加型”の鬼踊りは、本番以上にたっぷりと笑いで楽しませてくれた。
鬼踊りが終わっても鬼はなかなか返してもらえず、親は行列をつくって鬼にわが子を抱いてもらって記念撮影。さすがに小学生になると泣く子はほとんどなかったが、なんとかピースサインをしながらも表情はこわばっている男の子もいて我慢比べのようでもあった。