燕市井土巻3、イオン県央店(平井昇店長)で24日午前9時過ぎから大型店舗における無差別殺傷事件を想定した防犯訓練が行われた。
同店従業員約20人と燕署6人が参加。警察官が犯人役となって刃物で従業員を刺し、従業員は救護班、現場対応班、連絡係、誘導係に分かれ、警察への通報、負傷者の救護、来店者の避難誘導、犯人への対処方法などを訓練した。
犯人が逃走して店外の客を傷つけないよう、ショッピングカートやさすまたで囲い込んで確保。その間に到着した警察官が犯人を取り押さえて逮捕した。
客を刺したあと、犯人役は大声を上げたり、ショッピングカートをけったりして暴れた。訓練とわかっていても、その迫力に従業員もたじろぎ、表情がこわばる場面もあり、迫真の演技に緊迫感あふれる訓練となった。講評で武内栄生活安全課長は、さすまたの使い方をアドバイスした。
イオンリテール株式会社では、2009年4月から凶器を持つ無差別殺傷事件を想定した防犯訓練を全国の店舗で行っており、11年11月に東京都・イオン昭島店で従業員が男に刃物で刺されて重傷を負う事件が発生したのを契機にさらに活発に訓練を行っている。無差別殺傷事件を想定した訓練は、県内では昨年2月にイオン新潟南店で行って以来2店目。イオン県央店では定期的に内部で防犯訓練を行っているが、燕署の連携した訓練は今回が初めてだった。
平井店長は「緊張感があり、無差別殺傷事件の恐怖も感じたと思う。イメージがわき、本当に事件が起こったときに実際に台本のように対応できるかという不安を感じたことも大切にしたい」と話していた。