三条市議会3月定例会初日の3日、国定勇人市長が施政方針演説を行い、「選ばれて次代まで住み継がれるまち」の実現に向けて積極果敢に取り組んでいくと、7.13水害から10年、市町村合併から来年で10年の節目であり、自身の任期2期8年目の締めくくりとなる平成26年度の施政方針を示した。
国定市長は、ものづくりのまち三条の原点の火と力強い決意を示すかのような真っ赤なネクタイで登壇。「『まち』は人が住むからこそ『まち』たりえます」。まちの魅力を1つ1つ積み上げていくことによって市民の「このまちに住み続けたい」という思いを高め、かつて市民であった人に「戻りたい」、三条市にかかわりを持った人の「移り住みたい」という思いへとつなげていくことこそが、「市長たる私の使命」。
さらに、そのためにもこれまで進めてきた「5つの徹底」、「3つの基盤」の方向性を堅持し、「選ばれて次代まで住み継がれるまち」の実現に向けて積極果敢に取り組んでいくと決意を示した。
5つの徹底は、「地域経済の再活性化」〜「産業都市三条」にこだわり抜く!〜、、「子育て環境の充実」〜時代を担う子どもたち・若者たちを育て抜く!〜、「スマートウエルネス三条の推進」〜赤ちゃんからお年寄りまでが健康的にクラス抜く!〜、「シティセールスの推進」〜三条の素晴らしさをアピールし抜く!〜、「市民参加の徹底」〜市民パワーを活用し抜く!〜の5つの徹底、3つの基盤は「行財政改革の推進」、「社会インフラの整備」、「力強い地域基盤の確立」。
「地域活性の再活性化」では、売れるものづくり支援事業、成長分野進出支援事業、次世代産業創造プロジェクト事業を着実に進め、更なる技術の高度化に取り組む。また、燕三条工場の祭典に加えて、「一社逸品」開発の新支援事業創設やものづくり拠点施設の整備を進める。
「子育て環境の充実」では、「ものづくり」のまちとして持続可能にするためには、世界各国と伍していける優秀な人材を育てていくことが責務とし、来年度は小中一貫教育の成果や検証をしながら深化を図る。一方潜在的な才能をさらに伸ばすチャンスや環境を与えることも大切とし、小学5年生から中学2年生までの希望者を募り、外部機関の協力を得ながら質の高い学習機会を提供することなど、各分野で「一番星」として輝けるような、さらに能力を高めるための取り組みを進める。
また、子育て拠点施設「すまいるらんど」隣接の図書館栄分館をしかけ絵本蔵書日本一の子ども・子育てに特化した図書館にリニューアルする。来年度実施される栄パーキングエリアの改築を機に、立ち寄った人が当地域に関心を持ってもらえるように魅力を効果的に発信する。レアメタルや銅など再資源化推進のため、それらが含まれる小型家電の拠点回収の試験的実施。市長とのふれあいトークをテーマを選定して開催することなども説明した。
最後に、三条、栄、下田の3市町が合併し「『新三条市』が誕生して来年で10年という節目の年を迎えます」と振り返り、合併直前の平成16年の7.13水害、平成23年の7.29豪雨災害の大災害、加えて平成20年にはリーマンショックに端を発した世界同時不況による経済的打撃など、度重なる苦難をその都度乗り越えてきたと言い、「この経験が私たちを鍛え、成長させてくれたからこそ、今日の発展があるものと感じております」。
「人口減少時代という新たな局面を迎えた中、急速に進む少子高齢化という現実を受け止めつつも、まちの魅力を高めていくことが、人口動態の流れを社会増へとつなげていく唯一の方法であると考えており、市民の皆様と一緒に力を合わせて積極果敢に挑戦して参りたい」として理解と協力を求め、50分近い演説を締めくくった。