三条市内の9中学校すべては7日、卒業式を行い、合わせて959人が9年間の義務教育を終えて、それぞれの学びやを巣立った。
4月から小中一体校の新しい校舎に移転する第一中学校(遠藤精一校長・生徒521人)では、昭和22年に創立、同45年に完成した現校舎では最後となる第67回卒業証書授与式を行い、男子92人、女子87人の計179人が卒業した。
会場の体育館の壁に「さよなら島田校舎 67年間ありがとう」のメッセージ。吹奏楽の演奏と、在校生や教諭、保護者や来賓の拍手に迎えられ、胸に黄色いガーベラのコサージュをつけた卒業生が入場。担任に名前を呼ばれ、大きな声で返事をしてステージに登壇、遠藤校長から卒業証書を手渡した。
遠藤校長は式辞で、「大きな壺と石の話」をはなむけとして話した。大きなつぼに大きな石を詰め、これで満杯か?と聞きながら、砂利、砂、水と詰めていき、この例の真実は、「大きな石をつぼに先に入れない限り、それが後から入る道はその後、二度とない」。さらに、「それでは君たちの人生において大きな石とは何だろうか?」と問い、「それは仕事であったり、愛する人、家族、自分の夢」、「君たちにとって一番大切な物。それを最初につぼの中に入れなさい。さもないと永遠に失うことになる」。
遠藤校長は、「義務教育を修了し、これからの数年が人生のうえで重要な時期」と言い、「自分にとって大きな石を大きなつぼに入れることに挑戦し、自分の人生を切り開いていかれることを願っています」と期待した。
来賓の国定勇人市長は祝辞で、「みなさんには無限の可能性があります。日々研鑽を積み、勉学にいそしみ、そのうえで過去にとらわれず、常識を顧みず、何事も果敢に挑戦していってください」と述べ、その一つ一つの行動の成果が、生徒が住むこの町や国の発展に必ずし寄与することになり、世界平和につながっていくと話し、卒業生の門出を祝った。
送辞では在校生代表が、新しい一中に卒業生が築き上げてきた伝統を引き継ぎ、卒業生がつないだきずなを新生第一中学校に引き継いでいくと、感謝と礼を述べた。
答辞では卒業生代表が、現校舎で伝統を引き継ぐ「アンカー」としてきた1年間を振り返るとともに、67年間、一中生を見守り続けてくれた校舎に感謝。さらに、前例のない小中一体校に移る後輩たちにエールを送り、バトンを託した。
式の最後の「別れの歌」、「校歌斉唱」では、さまざまな思い出や感謝の気持ちなど一人ひとりの思いのこもった歌声が体育館いっぱいに響いた。
大半の卒業生は、11日に行われる県内公立高校の入学試験にのぞみ、13日の合格発表を待つ。