東日本大震災から3年を迎えるのを前に、震災直後から避難者を受け入れている三条市は8日、三条市総合福祉センターでことしも東日本大震災追悼式典を行い、避難者や市民が列席して犠牲者への追悼と被災地の一日も早い復興を願った。
三条市総合福祉センターの1階ロビーに献花台を設けて開き、国定勇人市長をはじめ、三条市に避難している人など市内外の避難者、三条市民など合わせて100人余りが列席。被災地の方角に向かって全員で黙とうをささげて始まり、避難者代表追悼のことば、三条市長追悼のことば、献花を行った。
避難者を代表して吉岡雄二さん(46)=南相馬市=が追悼のことばを述べた。「私たちにとってことしの3月11日は、あの日からもう3年、まだ3年だという日です」、「この3年間、私たちは地震、津波の被害のこと、原発、放射能の問題で心が休まりませんでした」と話したが、その間の三条市をはじめ近隣市町村、多くのボランティアの人たちの応援に感謝した。
今後は一人ひとり、または家族が、帰郷や新しい場所での生活など「苦しい決断が待っていると思います」。「しかし、わたしたちは、3年間のこの和やかな生活を胸に秘め、おのおのの場所で頑張っていきたい」と静かに話し、亡くなった人の冥福を祈るとともに、決意を語った。
国定市長は、被災地に実際に足を運ぶと「復興は道半ばと言うよりむしろまったく進んでいないと痛感」。「3年間という時間の経過の中で、ともすれば現地はそうとう復興は進んだと思われがちですが、決してそうではないという現実。この現実を多くの人から知ってもらい、協力の輪を広げることがこれからいっそう大切」との思いを話した。
3年がたとうとするなかで支援を続けるボランティア、市内企業をはじめ、兵庫県豊岡市などに感謝するとともに、「三条市はこれからも支援を継続し、避難者の最後のひとりまで応援することをあらためてお誓い申し上げます」と述べた。
三条市内の避難者は、2年前の1周年追悼式典の272人が、この3月で150人になったと言い、「三条市での暮らしが少しでも皆さんの気持ちを和やかにする一助になれたらと思いをはせずにいられません」。「これまでに新たな場所でスタートした方々、これから三条市で新たな一歩を踏み出されようとする方々の未来が、力強いものになることを心から願っています」と力を込めた。
献花では、ガラス越しに時々吹雪くようなあいにくの雪模様が見える東側の献花台に、参加した子どもから大人まで、一人ひとりが白いキクの花を手向けて手を合わせた。