燕市が3月3日に実施した燕地区第5次住居表示で、「燕市燕」から晴れて「燕市宮町」となった宮町の自治会(竹井満喜子自治会長)は、13日午後5時半からその名の由来である町内の鎮守、戸隠神社(星野和彦宮司)で新生宮町の祈願祭を行い、町内が一丸となっていくらかでもかつての栄華を取り戻せたらと願った。
自治会長の竹井満喜子さん(71)、宮町商店街振興組合理事長の有限会社吉田屋社長の鈴木雅一さん(65)、小林由明市議をはじめ地元の商店主や住民24人が参列。星野宮司が祝詞を奏上、参列者で玉ぐしをささげた。
竹井さんは、かつて“銀座”とも呼ばれるにぎわいを見せた地元の宮町商店街は、昨年秋に始まったオーバーアーケードの撤去工事が終わって通りから青空が見えるようになり、住居表示変更で行政区の名称だった“宮町”が初めて地名として正式に誕生したことにふれた。
「名実ともにお宮さまを拝するわたしたちの町内が宮町になりますので、わたしたちの子どものときのように燕の中心街であった宮町を思い出しながら、一丸となって町内が頑張っていきたい」と話した。
次代を担う子どもたちにこそ参列してほしいと、竹井さんは子どもたちが都合をつけやすい夕方の時間帯に祈願祭を計画。子どもたちからも玉ぐしをささげてもらい、星野宮司が直々に神前に玉ぐしを捧げて二礼二拍手一礼する作法を教えた。また、参列者に用意した紅白まんじゅうのほかに子どもたちには土産の菓子も用意した。
星野宮司は約10分間に渡って戸隠神社の歴史を話した。発祥は300年前だが、当初は寺で人為的につくられた神社であること、江戸時代の宮町は同じ2間長屋の敷地が続く新興住宅地だったこと、当時の人が余裕がなかったのか神社は南向きか東向きに作られるべきところ戸隠神社は北を向いていること。参列した人たちも「初めて聞いたこともあって、ありがたい話だった」と喜んでいた。
また、自治会の積立金から拠出した商店街への激励金を竹井さんから鈴木さんへ手渡した。鈴木さんは「新たに商いに頑張ろうと気が引き締まる思い」と感謝。間もなく工事は完了するが、通行止めが解除されてからそれ以前と変わらない数の客が商店街に戻っている。「オーバーアーケードがなくなって明るくなって良くなったと言う人もいる」と鈴木さんは前向きにとらえていた。