三条市の布施谷川沿線の有志でつくる「布施谷川に鮭を呼ぶ会」(長谷川治司会長)は13日、三条市上保内地内の布施谷川でサケの稚魚の放流を行い、地元の保内小学校児童が4年後に再びふるさとの川に帰ってくるよう願って稚魚約1万2,000匹を川に放った。
布施谷川は、上流部では五十嵐川の支流が流れ込む全長約5.7キロメートルの一級河川。加茂市を源流に三条市の保内、井栗地区を流れ、下条川に合流して信濃川に注ぐ。近年、サケの遡上が確認されている。
同会は、10数年前にサケの遡上を見つけた長谷川会長が、サケの産卵が見られる川にしようと、有志を募って設立。五十嵐川漁業協同組合の協力で、2002年から毎年、稚魚を放流しており、ことしで12年目となった。あわせて、保内小児童が、同漁協からタマゴを譲り受けてふ化させており、今回も稚魚を持参した。
午前10時から放流を行い、保内小の4年生22人と3年生26人が参加。冷たい小雨の降るなか、体長4、5センチのサケの稚魚が入ったバケツを手に、同会が放流のために設置した特設の階段で河原に降り、静かにバケツを傾けて稚魚たちを川に放した。
川に入った瞬間に黒い稚魚が、白っぽく変わると聞いていた児童たちは、「変わった、変わったね」と色の変化を確認。「大きくなって帰ってきてほしい」、「元気でね」と、大きく成長したサケが布施谷川に戻る日を楽しみに見送っていた。
また、この日、五十嵐川漁協の協力で、大浦小学校児童も五十嵐川支流の日端川にサケの稚魚1万匹を放流した。