燕市教育委員会は14日午後7時から粟生津体育文化センターで講演会「名誉市民 鈴木虎雄博士、訪中研究から現代へのメッセージ」を開き、昨年に続いて佛教大学大学院中国文学科・文学修士の佐藤海山さん=三条市=から講演を聞く。
鈴木虎雄博士(1878-1963)は、西蒲原郡粟生津村の出身。父は長善館二代館主鈴木てき軒で、その五男。幼少期は長善館に学び、日本での中国文学、文化研究の創始者のひとりで、東洋学での京都学派の発足にも寄与した。日本新聞社勤務、東京高等師範学校の講師などを経て1908年に当時、新設されたばかりの京都帝国大学文科大学助教授に就き、1938年には名誉教授に就任。1961年に文化勲章を受章している。
講師の佐藤海山さんは、三条市下田に生まれた諸橋轍次博士(1883-1982)の研究で知られる。諸橋博士を研究するうえでは必然的に同世代の漢学者だった鈴木博士も研究した。今回は鈴木博士が国費で中国に派遣され、北京近郊に住んだ当時に詠んだ和歌から鈴木博士の中国に対する思いや人物像に迫る。
鈴木博士のことをあまり知らない人のために、冒頭の20分間、長善館史料館の吉田勝館長による長善館早わかり講座を行う。また、参加者には長善館史料館を1回、同時に3人まで無料で入館できる招待券をプレゼントする。
昨年も同様に同じ会場で同じ佐藤さんを講師に鈴木博士についての講演会を開いた。地元粟生津地区の鈴木博士に対する関心は高く、会場いっぱいの120人が参加した。昨年は粟生津地区協議会が後援したが、今回は共催として地域として講演会に参画している意識を高めた。
今回も定員120人、入場は無料。申し込みや問い合わせは粟生津体育文化センター(電話:0256-92-6700)か長善館史料館(電話:0256-93-5400)へ。