三条市上野原、中小企業大学校三条校=小田島祥行校長=が開校初期から開設している看板コース「経営管理者養成コース」の受講者でつくる「会縁会(ええんかい)」は15日、燕市・燕三条ワシントンホテルで第13回経営管理者養成コース全体OB会を開き、総会と特別講演を行った。
三条校は、開校以来22年間に28,000人、約4,000社以上が受講している。そのなかの同コースは400人以上が受講し、修了生の多くは経営者や経営幹部として活躍している。現在の会員は約360人で、この日は本県を中心に長野、神奈川などから34人が出席した。
総会では、平成25年度代表幹事の第11期受講者の土田昌幸(株)ニシカタヤ社長が次期代表幹事などを推薦、拍手をもって平成26年度代表幹事に第12期受講者の冨士田篤シマト工業(株)品質技術部長を、会計幹事に第10期受講者の梨本次郎(株)梨本商店代表取締役社長を決めた。
続く特別講演では、講師の第4期修了生の燕三条ワシントンホテル総支配人の真野一郎さん(60)が、「私の仕事の歩み」をテーマに、同ホテルを運営するホクリク総業のグループ会社北陸工業(株)の前オーナーで、同グループの冠婚葬祭業を創業した加藤政次郎さんをはじめ、家族、上司や部下、経理社員、顧客、銀行、ライバル会社、デザイナーなどさまざまな人との出会いやかかわりが、今の自分をつくってきた人生そのものともいえる「仕事」について話した。
真野さんは、コメ農家の長男に生まれ、職業に対して選択の余地はなく考えることもなかったと始めた。人生でいちばん役に立ち、自身を変えてくれた本として『道は開ける』を紹介し、それをきっかけに20歳代でホクリク総業が創業する結婚式場の営業募集に応募、入社。冠婚葬祭互助会の会員募集、燕三条ワシントンホテルの開業など、当時の秘話や思いなど40年余りを振り返り、そのなかで得たことを惜しげもなく公開した。
加藤政次郎さんについて、「わたしが今日あるのは、前オーナーのもとで働けたこと」と、生前には言える言葉ではないが仏壇に手を合わせるといつも思っていると涙をこらえて話す場面も。「働く場所は提供した、あとはお前たちが稼いでいけ」と、若い社員に任せてくれた、その言葉でここまでこれたとも。
冒頭、真野さんは自分のことを話すのは恥ずかしく、原稿の作成など講演の準備は精神的にも労力も大変だが、講演の準備を経営管理者コースの最後の課題にしたらよいのではと提案した。