三条市は3月31日午前9時から市役所で平成25年度退職者辞令交付式を行い、同日付けで退職する職員68人に辞令を交付した。
退職者は、定年退職46人と普通退職17人、県や国との割愛や人事交流など5人を含む計68人。
国定勇人市長が「長い間お世話になりました」、「ありがとうございました」と一人ひとりに声をかけて辞令書を手渡した。退職者は両手で辞令書を受けると、列席した職員に向かい「大変ありがとうございました」、「皆さまの支えで無事、この日を迎えることができました」と深く頭を下げた。
国定市長はあいさつで、「長い間、本当にありがとうございました。心から感謝を申し上げます」と始めた。「個人的には、また7.13水害当時の戦友が去って行ってしまうこと、悲しく思いますし、個人的にもさまざまな形で一緒に仕事をさせていただいた方々が数を多くいらっしゃいますので、現職職員同様の気持ちを感じています」と話した。
「三条に対する愛情」はそれぞれ共通と思っているとし、「どうかそれぞれの立場は分かれると思いますが、引き続き私ども後進を追う者のために皆さま方のそれぞれの経験を生かしながら、三条市のために適切にアドバイスをいただいたり、心が折れそうになっている職員を見つければ激励の言葉をかけていただければ」と願い、輝かしい門出を祝った。
退職者を代表して土田壮一建設部長が謝辞を述べた。三条市役所に奉職したそれぞれの勤務の経歴は違うものの三条市に対する思いは「三条市民が安心して生活できるその場をつくること」と同じだったと言い、職員はじめ多くの市民に支えられたと感謝した。
さらに、私事と断って、「退職直近のこの10年はまさに災害に明け暮れた」として、「7.13水害は私にとりましても大きなターニングポイントでもありました」と振り返った。
三条市は大正15年の7月以来約80年ぶりの大きな災害で、9人の尊い命が失われ、多くの被害が出た。犠牲になった9人は高齢者が多く、「寝たきりの方、体が不自由の方、何とか生き延びたいとの思いで、2階に上がろうとして手すりにつかまって亡くなった方もいらっしゃった。その話を聞いて、もう二度とあのようなつらい、苦しい思いは三条市民にさせてはならないという思いでこの10年間、歩んできた」と明かした。
最後に、「明日から第2のステージをしっかりと歩んでまいりますけれども。三条市を、明るい三条市を市長さんをはじめ職員の方々ひとつになって、勇気と決断をもって取り組んでいただきたい」と願い、「本当に長い間お世話になりました。ありがとうございました」と述べると大きな拍手が起こった。
閉式し、退職者は集まったまった職員の盛大な拍手に送られて退場。各課へのあいさつや記念撮影のあと、理事者や関係部長らとの会食をして退庁した。