三条市は、中心市街地の歴史的建造物や小路といった同市ならではの特徴的な町並みを保全し、地域のにぎわいを創出しようと、歴史ある建造物を活用した新規出店や活動拠点を構えることに対して補助金を出す歴史的建造物活用事業補助金を始めた。
対象物件は、市が指定した「中心市街地賑わい創出エリア」内にあるおおむね昭和20年以前に建築された建物で、市が保存する価値があると認めるもの。対象経費と補助率は、改修費が300万円を上限に4分の3、賃貸料は1年間限りで月額10万円を上限に2分の1。対象とする業種は、小売業、貸店舗、飲食サービス、生活関連サービス。
5月15日まで補助申請を受け付けている。3年前に発行した『三条市中心市街地歴史的建造物調査報告書』の調査では、254棟の歴史的建造物がある。
中心市街地にお年寄りが気軽に外へ出られる環境をつくるためには魅力ある都市空間が必要で、加えて三条らしい趣があり、ノスタルジーにひたれるような空間であってほしいが、一方で歴史ある古い建物の取り壊しが進んでいる。
また、歴史的建造物の所有者がそこに住まずに固定資産税だけ払い続けているという状況もあるが、賃料を受け取ることが実質的な空き家を貸すインセンティブにもつながる。