三条市の農具メーカー(株)相田合同工場は12日、同社須戸工場で三条の鍛冶製品の通販サイトを運営する「匠のぬくもり本舗」=東京都=と共催で「正しいクワの使い方、選び方ワークショップ」を開き、市内外の参加者からくわの作り手から説明を聞き、農作業の工程に適したくわを使った畑作りを体験してもらった。
ワークショップは、同社のくわの品質を確かめてもらう場をつくろうと毎月、開催。県内外の家庭菜園初心者をはじめ農具を扱う問屋や農業をしている人が参加している。
今回は三条市と長岡市から4人が参加。同社の20歳代の社員4人が中心となって講師となり、座学と畑作りを体験してもらった。
座学は、同社でくわを製造している社員が講師。「作業にあった道具を使うことで、体が痛くならずに楽に作業できる」と、土を起こして耕すなど畑を作るための作業にあわせたくわなど10種類近くを紹介した。
作り方の工程や材質を示し、使い方や手入れ、外国産の値段の安い商品との違いも説明した。同社は再生や修理のメンテナンスにも積極的に取り組んでおり、安いものを買い替えるだけでなく、品質のいいものを「長く使ってもらいたい」とも。
30分の座学に続いて、同社駐車場の一角で畑作りを体験。座学で説明を受けた数種類のくわを使って農作業を行った。こちらも同社の若手社員から説明を聞きながら固い土をほぐし、ごろごろと出てくる石をよけ、肥料を土に混ぜ、うねを作り、ジャガイモの種イモを植えた。
三条市で農業をしている年配の男性は、「楽で、あんまりおもしーてやめられね。よー切れるんだんがさ」。「百姓してるろも、こんげいいのがあると思わんかった」と長年、くわを使っているが、作業にあわせたくわがあることを知り、その快適さに驚いていた。
長岡市(栃尾)の刈谷将志さん(25)は、「見ただけではわからないような、ちょっとした工夫が同じ作業を別物にしてくれる」と実感し、「知らない道具がいっぱいあって勉強になりました」と話した。刈屋さんは、一緒に農業を営む兄と参加。燕三条地場産業振興センターで同社を知り、1週間前にくわなど数百種類の農具を展示する田島1の同社の本社ギャラリーを見学しており、「農家だが、祖父の代の道具をそのまま使っている。ここに来たらたくさんあった」と、実際に使えるワークショップに参加した。