昨年の2便からことしは4便に増便されたJR分水駅のサクラ並木のライトアップをめでる臨時列車「分水夜桜号」の最初の便が16日、運行され、利用客は見事な満開のサクラにため息をつき、おいらん役の歓迎にうっとりだった。
昨年初めて運行されて好評で、4月から新潟のデスティネーションキャンペーンがスタートしたこともあってか、ことしは16、17日と23、24日に1便ずつの4便に増便。いずれもジョイフルトレイン「きらきらうえつ」4両編成を新潟駅発17:53、分水駅着19:10、帰りは分水駅発20:08、新潟駅着21:30で約1時間、分水駅に停車する。
その初日16日、分水駅のサクラは今まさに満開の絶好のタイミング。ほぼ満席となった「きらきらうえつ」が分水駅に到着すると、ホームの上に花でアーチをかけるように枝を広げるサクラが闇の中にライトアップされて輝くようすに、利用客はただただ目を丸くして「すごい!」を連発していた。
鈴木力燕市長は昨年に続いて吉田駅から利用。昨年はプライベートで乗した“撮り鉄”の燕三条駅・時田康弘駅長は、ことしも業務として制服で分水駅に。「きらきらうえつ」は2001年から羽越本線の新潟ー酒田間で定期運行しており、信越本線、弥彦線に入線するのは珍しいとあって、夜桜目当ての人ばかりでなく、鉄道ファンも多かった。
分水駅を開放したので、先にホームに三脚を構えて電車を待つ撮り鉄もいれば、先発隊が新津駅で席取りして参加した三条市内に職場のある鉄分高めの同僚のグループ、新潟大学鉄道研究部の部員も。明らかに昨年より利用者が増えた。
利用者には酒とつまみのセットがつき、ほろ酔いの人も。駅前では分水商工会青年部が観光案内所「桜茶屋」を開設して飲食を販売しており、駅の改札を出ると酒やつまみを買い足そうと行列ができていた。
さらに20日の分水おいらん道中でおいらん役4人とそれぞれをサポートするほうかん役4人が利用者の歓迎に訪れた。この日はすぐ近くで夕方から最終3回目のおいらん役の歩き方の練習を行っており、けいこを終わってから分水駅へ。ライトアップされたサクラとの写真に写る被写体になったり、利用客と並んで記念写真に写ったりとサービスする一方、おいらん役は出発前に車内を歩いておいらん道中のパンフレットを手渡してPRし、駅を出る列車に手を振って見送った。
満開のサクラのライトアップに、県内ではレアな「きらきらうえつ」、華やかなおいらん役の組み合わせに利用客は大満足だった。