三条市のシンガーソングライター、佐藤英里(ひらり)さん(12)=県立新潟盲学校の中学1年生=は4月27日、東日本大震災の被災地にサクラの苗木を植樹している「栃木さくら11プロジェクト」とともに南相馬市を訪れ、仮設住宅で暮らす人たちと一緒にサクラの植樹を行った。
「栃木さくら11プロジェクト」は、東日本大震災を風化させないようにと、岩手、宮城、福島の3県の被災地域や将来のコミュニティの場にサクラの苗木を植樹する活動を行っている。
今回の植樹は、英里さんが昨年12月、自主制作CD「みらい」の売り上げを「あしなが育英会」東日本大震災義援金に寄付したことなどが評価されて受賞した青少年フィランソロピスト賞奨励賞の授賞式で「栃木さくら11プロジェクト」メンバーと同席したことでつながれた。
同プロジェクトを知った英里さんと母絵美さんが、その趣旨に賛同し、震災後に三条市に避難していたことが縁で交流が続く、福島県南相馬市の藤島昌治さん(68)を通じて、藤島さんも暮らす南相馬市の福島県塚合応急仮設住宅でサクラを植樹することが決まった。あわせて同じく三条市に避難し、南相馬市の借上げ住宅に暮らす横山邦彦さん宅でも植樹を行った。
同日は、英里さんと栃木県からサクラを持参した同プロジェクトメンバー6人が南相馬市で合流して仮設住宅を訪れた。仮設住宅は、設置の期限が区切られていることから、地には植えず、バケツ型のプランターに植樹。住民とともに高さ180センチほどの苗木22本を1本ずつプランターに植えた。
植樹のあとは仮設住宅の住民が郷土料理の「こづゆ」を振る舞い、英里さんがアカペラで歌をプレゼント。英里さんは、「サクラの咲く季節に歌いにきたい」と話し、元気を贈った。
また、同プロジェクトについて新潟県内の人や避難している人たちにも知ってほしいという思いもあり、5月25日に長岡市・アオーレ長岡で開催される東日本大震災被災地を応援するイベント「第2回花と歌で復幸応援マルシェ」に英里さんが午後1時から出演して歌を披露するのに続いて、午後2時から「栃木さくら11プロジェクト」のメンバーが活動を紹介する。