燕市教育委員会と燕茶道友の会(佐藤和子会長)は11日、県指定天然記念物「八王寺の白藤」を保存する燕市八王寺、真宗仏光寺派安了寺(松島孝夫住職)で第38回白藤茶会を開き、満開のフジの花、抜けるような五月晴れに恵まれ、昨年より100人近くも多い286人が参加した。
「八王寺の白藤」の開花期にあわせた毎年恒例の茶会。なかなか花の見ごろにタイミングが合わず、見ごろに当たっても今度は天気が悪かったりで、両方がそろうのは珍しいが、ことしはほぼ満開。朝から抜けるようなピーカンの青空で、気温も三条で23.9度まで上がる初夏の陽気に恵まれた。
花見客も続々と訪れて同寺の前の通りは渋滞し、境内は祭りのようなにぎわいに。東西約30メートル、南北約20メートルもある巨大なフジ棚は一昨年、大雪で3分の2が崩壊したが、フジ棚の修復や樹木医による治療のおかげで、ことしはそれ以前と変わらないほどたくさんの花房がまるで白い滝のように下げ、濃厚な甘い香りを充満させている。
茶会の席主は燕茶道友の会の会員の輪番制で、ことしは会長の佐藤宗和さんが宗へん流のてまえを披露した。茶席券は事前にちょうど100枚を販売し、当日券は186枚の計286枚を販売。昨年の204枚を大きく上回った。
菓子の名は連なったフジの花が波のように見える姿を模した「藤浪(ふじなみ)」など趣向を凝らし、客はにぎやかな境内とは対照的に静かな時間を過ごしていた。