三条市・八幡宮の春季例大祭にあわせて、ことしも14、15の2日間、木場神楽保存会が旧三条町の家々を回って獅子舞の悪魔祓いを演じ、邪気を払い、清めている。
2日間とも朝から夕方までかけて延べざっと200軒を回る。五月晴れだった宵宮の14日は、黒着物を着た十数人の会員が参加し、神殿を載せた屋台を引き、屋台に積んだ太鼓を打ち鳴らしながら回った。
悪魔祓いは、舞い手2人とはやし方1人の3人で1組。役割は順番に交代しながら、玄関や客間、古い家なら土間などで舞った。威勢のいいかけ声とともに家の中へ舞い込むと、「しっかり舞い込め、そこらが大事だ、唐から渡った南京神楽」とテンポのいい口上で口火を切る。
1人は獅子面をかぶって舞い、もう一人はその面からつながった唐草模様の衣のすそを持って舞う。途中ではやし方から錫杖(しゃくじょう)と切り紙を受け取り、邪気を祓うように左右に振り、最後ははやし方の「どっこいと、めでたいが悪魔祓い、あと祓い、あとは才蔵が逆手祓いだ−!」の口上で締めくくる、3分足らずの舞だ。
会員に酒を振る舞う家も多く、加えてこの日は三条で最高気温27.4度の夏の暑さ。両方の影響で午後には顔は真っ赤だった。15日も一日中、旧三条町を回る。