2004年の7.13水害から間もなく10年の節目を迎えるのを前に、三条市の三条競馬場跡地に建設が進められていた三条市かわまち交流拠点施設「三条防災ステーション」が完成。18日は開所式とあわせて市民に参加を呼びかけて午後からオープニングイベントも行われる。
同所は信濃川に五十嵐川が合流する地点。信濃川の洪水被害を最小限に食い止めるため、速やかに円滑な水防・復旧活動を行う拠点として整備された。09年8月の着工から7年近くかけて13日、完成した。総事業費は国が4億1,000万円、市が2億3,000万円の計6億4,000万円。
敷地は5万8,500平方メートルで、三条パール金属スタジアム2つ分の広さ。建物いずれも鉄骨造2階建設の三条市水防学習館(延べ床面積411平方メートル)と国が設置する三条災害対策車輌庫(同319平方メートル)の2棟が隣接する。
広大な芝生の交流広場や駐車場、ヘリポート、船着き場を備えるとともに、土砂、根固めブロック、水防対策備蓄ブロック、袋詰め玉石、砕石などを備蓄する。災害発生に対する活動の拠点となる一方、平常時は防災学習や地域の交流、憩いの場に利用される。
三条市水防学習館には、7.13水害で消防本部が被災者を救助するために赤ペンで印をつけた生々しい消防救助作戦地図や7.13水害と11年の7.29水害の概要のパネル展示、水没した車から脱出するためにドアにかかる水圧を体験できるドア水圧体験、毎時8ミリ、20ミリ、80ミリの降雨も再現できる水害降雨再現シアター、iPadを使った水害体感トンネルなどを備える。
三条災害対策車輌庫には、毎分30トンの水を排水できる排水ポンプ車2台と、2キロワットの照明を3個をセットにしたものを2基備える照明車1台を配備する。うち排水ポンプ車1台は新しく導入し、ほか2台はこれまで国土交通省北陸地方整備局三条出張所に配備していたものを移動させた。国交省は各地に防災ステーションを建設しており、県内でも見附市、阿賀野市、新潟市南区などに設置されている。
18日は午後2時半から開所式のほか、正午から午後5時までオープニングイベントが行われ、災害対策車両、屋外降雨体験車両、防災ヘリの展示や実演をはじめ、施設見学や館内イベント、三条マルシェでおなじみの9店の出店、三条凧協会によるたこ揚げや子どもたこ揚げ体験も行われるので、市民の参加を呼びかけている。
また、6月7、8日と開かれる毎年恒例の三条凧合戦は、これまで三条・燕総合グラウンドで開かれたが、ことしは初めて三条防災ステーションを会場に開かれる。三条夏まつりの花火大会は、これまで工事中だったので観覧が制限されていたが、ことしは整備が終わってゆったりと観覧できそうだ。