オーバーアーケードが解体された燕市燕地区の宮町商店街振興組合の「サンロード宮町」にオープンするカフェ&バーに地元出身の漫画家、魚喃(なななん)キリコさんが描いたイラストをデザインした看板がお目見えした。
この店は、金子美奈子さん(33)=燕市吉田法花堂=が経営する「美しい時間」。町内の戸隠神社で行われる春季大祭にあわせて17、18日とプレオープンし、19日に本格オープンする。
看板は黒く塗った90センチ四方の木製で、そこに白いカッティングシートで作った店名と魚喃さんが女性を描いたイラストを張った。魚喃さんによると、その女性は昭和の時代の20代のイメージ。背中を壁にもたれて足を投げ出して座り、コーヒーを飲みながらクッキーを口に入れた瞬間を描いたと言う。
魚喃さんは燕市の旧吉田町の出身。月刊漫画ガロでデビューし、若い男女の恋愛をテーマにしたクールな作風で知られ、「blue」は映画化もされている。
金子さんは、先輩が魚喃さんと同級生で、その縁で5年ほど前から魚喃さんと親しくなった。店を開くにあたり、魚喃さんに看板の原画制作を頼んだ。最初は、そういう仕事は受けないと言われたが、金子さんが店のイメージを伝えると「ちょっと描いてみようかな」と前向きな言葉をもらった。すると翌日には、今回の作品を描いてくれた。
店名にある“し”の字だけ紫色に変えてあるが、これも魚喃さんのアイデア。「伝えたイメージ通りの作品になりました」と喜んでいる。
また、金子さんは燕市が昨年度、開設した「みらい起業塾」の卒業生では、初めての起業。開業資金として地域需要創造型等起業・創業促進事業の補助を受けた。
店名は20歳まで東京で暮らしたときに大好きだった、今はない新宿の店の名前をそのままもらった。内装は女子力高めでやや装飾過剰な昭和なムードが漂う。営業時間などはまだしっかり決めていないが、中休みありの正午から午前0時までで、昼はカフェ、夜はバー。金、土、日曜は夜だけの営業で火曜定休を考えている。場所は飴屋本舗の斜め向かいあたり。