加茂青年会議所(柳生田守理事長)は25日、田上町・原ヶ崎交流センターで6月1日投開票の田上町長選に立候補を表明している3氏をパネリストに迎えて「田上町の未来を考えるパネルディスカッション」を開き、それぞれの考える田上町の未来について聞いた。
パネリストは、会社社長小林寿博氏(64)、現町長佐藤邦義氏(72)、田上町議皆川忠志氏(64)。産業振興、教育・子育て支援、医療・社会福祉、そして田上町の今後について同じ持ち時間で回答してもらった。
田上町の今後について佐藤氏は、第5次田上町総合計画に基づき、田上町のまちづくり計画を策定し、それに基づいて事業を行っている。人口減少と税収減が大きな問題で、人口は年に100人以上減少しており、少子高齢化が進むことから新しいまちづくりをし、20年後を目標にコンパクトなまちづくりを進める。護摩堂山、湯田上温泉、観光の地域、羽生田地域は空き家対策、下水道整備を進め、いずれにしても公共交通を利用したまちづくりを推進したいとした。補足で、403号開通までには役場の前に生涯学習センターあるいは直売所、にぎわいの場所づくりを考えたいとした。
皆川氏は、「かえって来たい町づくり・ここがいい」をキャッチフレーズに、外に出て行った子どもが将来、戻ってきたくなるまちづくりをする。問われると合併はしないと答えており、平成の大合併でもいい話は入ってこない。しかし町の予算は44億円しかなく、自主財源は40%しかない。これでは大きな声を出せない。新潟市のベッドタウンとして生きていくのが現実的。新潟とのアクセスを便利にする。国道403号バイパスが0.7キロ延長されたが、田上町にとって、これから生きていく命綱。町民が心をひとつにする新しい祭りを実現したいとした。
小林氏は、この日の設問がすべて大変な問題であり、これらが全部が良くならなければ田上町は良くならない。自身の調べでは介護保険の一部負担金は月20何万円。それが困っている人がいるなら無料にしてもいい。医療、介護に使い、あとは困っている人に使いたい。田上町には金がないが、どんな家庭でも無駄はあり、倹約はできる。ひとつひとつの設問がわれわれ田上の将来。44億円の予算は、こっちが上がればこっちが下がる、無駄な方は下げたっていい。そういう町政であってほしいとした。
100人近い来場者があった。回答に加えて補足や反論の時間も設けたが、補足はあったものの反論はなく、それほど熱弁というほでもなく、落ち着いたディスカッションだった。
田上町長選の立候補予定者をパネリストにしたパネルディスカッションは、前回に続いて2回目。親せきが田上町に住んでいる加茂市民の男性は「初めて見たけど、おもしろかった。現職は有利かと思いつつ、今までやってきたことを言うしかなく、新人は思いがあるっていうか。みんな考えてるという感じ」と各氏の思いの熱さを肌で感じ取っていた。