6日、燕市・JR吉田駅前周辺で開かれた定期露店市「一・六の市」にあわせて燕市の露店イベント「つばめるしぇ」が開かれた。つばめるしぇが開かれた通り沿いの商店も協力して“市日通り商店街”を結成して出店し、好天にも恵まれてふだんの2倍どころではない人出でにぎわった。
毎月「1」か「6」のつく日に開設される定期露店市で、車両通行止めになる吉田旭町一丁目から吉田上町地内の通りを会場に開かれ、飲食を提供する店やコケ玉、手作り雑貨の販売、スプレー缶で絵を描くパフォーマンス、ハンドマッサージなど12店舗が、露店市場の店の間に入る形で出店した。
つばめるしぇは、これまで燕青空即売会や分水おいらん道中などにあわせて開いてきたが、露店市場での開催は初めて。昨年も吉田露店市場での開催を計画したが荒天に見舞われて中止している。
今回は抜けるような青空で真夏の猛暑の日曜。朝早くから大勢の人が繰り出して、人出は「2倍どころじゃねー」、「いつもは人がぱらぱらで、通りの端から端まで見通せるのに」と露店市場の出店者もにぎわいに驚いた。
イベントしてクイズラリーを行った。ことし5月に発足したつばめるしぇ実行委員会(白井悟実行委員長)による初めての企画。つばめるしぇの青いテントがいくつあるか、定期市はいつ開かれているかといったクイズを店舗に掲示し、回答するとプレゼントがもらえるというもの。回答するために自然と露店を回ったり、出店者に質問したりするというもくろみだ。
地元小学校を通じてちらしを配布したこともあり、切れ目なく子どもたちが訪れ、120人がクイズに挑戦。もれなく保護者の同伴もあり、にぎわいに一役買った。出店者も「答えをおしてあげようか?」と笑顔で子どもたちに話しかけていた。
一方、会場の通り沿いの商店も協力して、つばめるしぇのテント4張を借りて出店した。組合でも何でもないが、名付けて「市日通り商店街」。カニクリームコロッケ、肉巻おにぎり、チキンナゲット、シフォンケーキ、飲み物などを販売し、ほぼ完売した。
この通りには10店舗ほど商店があるが、商店街のような組織ができたことはない。つばめるしぇに協力したメンバーのひとり、ホンマデンキ=旭町1=の本間正明さん(46)は、「この人出なんてすごいよね!。ふだんなんて人を探すくらいなのに」と声を弾ませた。
この日の出店の打ち合わせのために有志が集まって3、4回、会議を開いた。「ろくに話をすることもなかったのに、そこが一緒になってやるなんて前代未聞なんですよ。まず、話し合いがもてたこと。みんなで結束できたこと。話をするだけで気持ちが高揚する」。
商店にとっても中心地の衰退、後継者の問題などがあり、先行きは明るいとは言えない。「にぎわって人が来てしまえば、あとはお店のやり方。結局、何もしなけりゃ、お店にお金を落としてくれない」と本間さん。「こういうきっかけでお店の気持ちがどんどん盛り上がっていけば。個々の気持ちが盛り上がればいいと思う。きっかけをくださった燕市役所にも感謝しんばだめらしね」と言う。今年度の吉田露店市場でのつばめるしぇ開催はこの1回だけだが、“市日通り商店街”での自主運営にも思いをはせていた。