閉校した三条市立南小学校の跡地で平成27年4月の供用開始を目指す「三条市ものづくり拠点施設」の整備を検討する「三条市ものづくり拠点施設整備検討委員会」の第7回検討会が10日開かれ、三条市が利用する公共スペースに入居予定の6団体と相互理解と連携の可能性も視野に意見交換した。
三条市が平成26年度主要事業のひとつとする「ものづくり拠点施設整備」事業で、「はたらく、学ぶ、あそぶ」をコンセプトに、クリエイターとものづくり側をマッチングさせ、新たな商品開発を促すなど、さまざまなインキュベーション機能をもった施設整備。その手本となる「世田谷ものづくり学校」を運営する「株式会社ものづくり学校」をアドバイザーに、施設は南小学校旧校舎を改修、リノベーションする。
これまでの一般教室や特別教室を入居スペースやシェアオフィス、ギャラリー、スタジオなどに改修。クリエイターや企業をはじめ、学生、地域の人や一般まで、ものづくりに関連したさまざまな人の利用を想定する。あわせて、三条市が利用するものづくり関係以外の公共スペースも設置する。
検討会では、委員長の和田裕長岡造形大学学長をはじめ委員、アドバイザーなど同検討委員会側と、公共スペースに入居予定の6団体の担当者が出席。この日は、互いの事業を理解したうえで、連携して進められたらと、ものづくり関係以外の6団体に出席してもらい、互いの事業説明などを行った。
同検討会側は、アドバイザーのものづくり学校の高山勝樹代表取締役が説明した。最初に世田谷ものづくり学校について、2004年3月に廃校になった旧池尻中学校を民間で活用しており、44社のクリエイターや企業がそのなかで働いている。「ものづくり学校」というネーミングだが賃貸施設になっている。共有スペースを充実させ、シアタールーム、編集ルーム、ギャラリー、カフェなど、みんなでシェアできて、44社を含めたものづくりにかかわる企業が集まるコミュニティーとして活用されている。
「地方で廃校活用は難しいもので、地方だけでそこの廃校を使って活用するよりは、ぼくらは10年やっておりますので、10年でいろんなネットワークもでき、ウェブの発信力もあり、そういうところを三条のものづくりと連携しながら、日本にもこんなすばらしい技術が残っているんだというところを、全国に発信していければと」考えを述べ、三条市ものづくり拠点施設の施設概要を示して、「日々、活用される施設になればと思っている」とした。
6団体は、男女共同参画センター、青少年育成センター、生きがい活動支援通所事業高齢者交流事業、三条市保護司会、つばさコミュニティ、三条地域若者サポートステーションで、それぞれが活動内容を説明した。
また、ものづくり関係とそれ以外の入居の経緯について事務局の市商工課は、跡地利用について当初の計画では地域のコミュニティー施設や公共施設の移転を考えていた。大きい施設であることから、さらなる有効活用として三条のアイデンティティー「ものづくり」をキーワードにした施設という2つの発想ができたと説明。入居団体相互のコミュニケーション、ものづくりとのコラボレーションで、化学反応が起こればと期待を寄せている。