燕市の非営利団体「はっぴーザウルス」が主体となり、その代表の深海寛子さん(31)=燕市小高=が自分の好きなものを集めた「ひろちゃん市」が27日午前10時から燕・戸隠神社で開かれる。
いろいろな人たちがまさに手弁当で“もの”や“こと”を持ち寄り、午後4時まで開く。
まずはワークショップ。福祉プロダクト企画・販売の「koro」が、台紙を飾って作る「はりきりバッチづくり」。燕市社会福祉協議会就労支援センターが「つばめキャンドルづくり」。はっぴーザウルスが無地のうちわを飾る「うちわづくり」。長岡市の森のようちえんの先生が内容はわからないが「くぅのひつじ手仕事」を行う。それぞれ参加には材料実費500円ていどが必要。
そして「大博覧会」。子どもたちから自分の好きなもの、絵、工作、もらいもの、大事なものなどを自由に持ち寄ってもらい、拝殿の回廊に展示する。
物販ショップで、koro、room、ツバメコーヒー、樋浦農園、はっぴーザウルスが出店。午後3時半から燕市のシンガーソングライター倉井千秋さんがライブを行い、ほかにも飲食の催しもある。
「ひろちゃん市」の企画の始まりは、ことし5月に戸隠神社拝殿を使って開かれた「プロジェクト“市(いち)”」のワークショップだった。同神社の境内を開放したいという思いを受け、境内の活用方法を考えようと開かれ、16人が参加した。
深海さんもワークショップに参加。そのなかで燕市の鎚起銅器職人、大橋保隆さんから「ひろちゃん市」を開こうというアイデアがあり、それから約3カ月で実現することになった。
当初は深海さんを中心にという考えだったが、企画を進めるうちに、はっぴーザウルスが主体になることに。はっぴーザウルスは2010年にママ友と発足し、障害のあるなしにかかわらず、子どもたちが体験を通して学ぶことの大切を知ろうと毎月、燕市児童研修館「こどもの森」で行う音楽遊びやワークショップを主な活動としている。
イベントに参加することもあるが、主体となってこれほどの規模のイベントを開くのは初めて。ちらしデザインは、ツムジグラフィカの燕市出身高橋トオルさんが協力してくれた。「いつか、おしゃれなちらしができるようなイベントができたらと前から思っていたら、できちゃいました」と深海さんは喜ぶ。
もうかるどころか、みんながアイデアや力、お金などを持ち寄って「ひろちゃん市」が生まれる。「好きなことがあるということは、生きているということ、すごく重要なことなんじゃないかと思う」と深海さん。「お金を使って買い物するんじゃなく、こんなところに心地良さがあるんだということを発見してもらえたら」と新しい価値観の共有や気づきに期待している。