重要無形文化財も保存する弥彦燈籠(とうろう)まつりがことしも24日から26日まで行われた。25日行われた里神楽奉納では、ことし3月に小千谷市指定文化財となった魚沼神社=小千谷市土川=の「太太神楽(だいだいかぐら)」が奉納された。
里神楽の舞台は、拝殿前の仮設舞殿。魚沼神社太太神楽保存会は、午後1時から“から拍子”に始まって宮清舞、弓舞、榊(さかき)舞、大鉾(おおぼこ)舞、扇舞、幕間(まくあい)のはやしのあと、蛭子(ひるこ)舞、そして、から拍子で締めくくった。
この日は県内各地で猛暑日となるこの夏いちばんの猛暑。じりじりと焼けるような日差しが照りつけた。はやし方はテントの下で演奏し、面や衣を重ね着した踊り手は顔を赤く火照らせ、踊り終わった顔には流れ出した汗が光った。
約200人の見物客は、日差しを避けて拝殿の日陰に陣取り、暑さとの戦いでもある熱演に大きな拍手を送っていた。
このあと時間を置いて新潟市西蒲区・槇神明宮神楽保存会による神楽、燕市の神刀流剣舞霞月会による神刀流剣舞の奉納も行われた。
弥彦燈籠まつりでは毎年、県内各地の里神楽を招いて奉納してもらっており、魚沼神社の太太神楽の奉納は今回が初めて。市指定文化財となったこともあって招いた。
魚沼神社は“上弥彦神社”とも呼ばれ、弥彦神社の“越後国一宮”に対して“二の宮”と呼ばれる。定かではないが、創建は崇神天皇の時代で式内社という説もある。弥彦神社とは浅からぬ縁があると思われる。魚沼神社の太太神楽は江戸時代後期から上演され、何度か途絶えながらも今に続いており、毎年8月15、16日の神社大祭で奉納される。
魚沼神社総代の若井吾郎さん(80)=小千谷市土川=も今回の里神楽奉納に同行し、弥彦神社でのまさに晴れ舞台に「いいもんですよね」と目を細めた。20年ほど前から「若い子がどんどん育ってきてくれている。日本中、どこにいても祭りになると戻ってきて舞ってくれる」と喜んでいた。
厳かに舞う里神楽の一方で、町内では芸妓連、青年・子ども燈籠押しがまつりのフィナーレに向かって気勢を上げていた。