一般の通行が不可能な八十里越の工事区間を含む新潟市から福島県いわき市を結ぶ国道289号の全線を、福島県立只見高校の生徒が自転車で踏破する「R289フルコース踏破by WALK & CYCLE 2013」が2、3の2日間行われ、初日2日は三条入りした生徒を国定勇人市長が出迎え、互いに早期開通を願った。
国道289号の早期全線開通と自然の豊庫である八十里越周辺の環境保全、有効活用の推進を発信しようと2010年から毎年、夏休みに行っている。同校の選抜生徒や保護者、教諭、町民などで構成する実行委員会が実施主体となった事業で、高校生が総延長約325kmの行程を約10kmずつ交代しながら6台の自転車で踏破する。
出発はいわき市からと新潟市からを毎年交互で、今回は新潟市から。只見高校(生徒約120人)の1、2年生から、野球部を中心にバレー、バスケット、陸上、テニス部に所属する男女30人が参加。
前日1日夕方に車で新潟入り。一行は、「八十里 越後と 會津の歴史道 三條只見」の文字に河井継之助のキャラクター「つぐたん」のイラスト入りの黄色いTシャツを着て本日午前8時半に新潟県庁から出発。「R289フルコース踏破」と書いた緑色のたすきをかけた生徒が自転車6台に乗り、たすきをつなぎながら午前11時10分ころ、三条市消防本部に到着した。
一行を迎えた三条市は歓迎式を行い、国定市長が歓迎のあいさつ。国道289号線の工事についてふれ、開通するようになると車で45分から50分で只見町と三条市は結ばれるとし、「しかも道路が開通するのは遠い将来ではありません。、間違いなく10年以内に皆さんのまちと私たちのまちとは、車で行き来することができるようになる、お互い隣近所」と話し、「暑いなかでの全線走破、体調管理には十分気を付けられ、一人の落伍者なく最後のいわき市まで走り抜けてください」と無事踏破を願った。
三条市からモモと三条市の水「千年悠水」をプレゼントし、只見町から「南郷トマト」、国定市長に生徒と色違いのTシャツが贈られた。
踏破隊長の八久保哲平さん(16)=2年生・野球部=は、昨年に続いて2度目の参加。最高気温が35度を超える猛暑日となったこの日、同本部までの道のりに「暑くて大変だった」と話したが、上り坂はなかったので、アップダウンの多い福島側に比べたら越後平野はまだ快調。さらに「みんなで励まし合っている」、「(八十里越)開通を待ち望んでいる人たちがいるので、その思いを背負って走っています」と日焼けした顔に白い歯の笑顔がこぼれた。
一行は同本部で昼食を食べた後、消防車両を見学し、午後0時20分に再び福島を目指して出発した。この日は、工事中の普通区間の三条側ゲートまで行き、そこから自転車をトラックに積んで、生徒はマイクロバスなどの車両で只見側ゲートまで移動し、只見町役場へ。翌3日は午前5時出発で、行程の3分の2の約200キロを走破し、ゴールのいわき市を目指した。