夏休みの小学生が4泊5日で三条市、燕市、弥彦村と計100キロを踏破する恒例の「寺小屋つばさ100km徒歩の旅」が6日スタート。過去最多の4年生以上の小学生74人が参加し、10日のゴールを目指して炎天下を歩き始めた。
出発は三条市下田地区の日帰り温泉「いい湯らてい」。結団式を行って午前8時半にスタートした。八木ヶ鼻を望み、青い空に真っ白な雲。午前8時で三条の気温はすでに29.8度と厳しい猛暑に見舞われた。
三度笠をかぶった子どもたちは、記念写真を撮り、元気いっぱいにチクサクコールを行い、一列に並んだ見送りの保護者ら全員とハイタッチを行って出発した。
道路のアスファルトは素手でさわっていられないほど熱く、数分も歩いたところですでに子どもたちの顔は真っ赤。のぼり旗を掲げてひたすら歩く一団に地元のお年寄りは「てーてんねーね」とねぎらいの声をかけ、荒沢保育所では玄関で幼児たちが「がんばれ〜!」の声援を送った。
最初の休憩ポイントは荒沢小学校。スタッフが子どもたちの首筋にひしゃくで水をかけた。この先の休憩ポイントでも、休憩用のテントや仮設トイレも子どもたちに先回りして移動。ルートで邪魔になっている歩道の雑草も先回りして刈る。
運営の主体は県内の大学生や専門学校生が中心の学生スタッフ。ことしは122人もの参加申し込みがあり、毎週のように研修会を開き、残った52人で本番を迎えた。前日5日午後から1日目の宿泊先となる三条市・大崎山のグリーンスポーツセンターで資機材や三度笠の準備を行って前泊。夜はスタッフの誕生日を祝うサプライズパーティーもあり、近年にない盛り上がりだったという。
休憩ポイントでは、子どもたちに水筒の水の準備やごみ出しなどについて指示を出す一方、一人ひとりの子どもたちとコミュニケーションをとってようすを観察し、声をかけて士気を鼓舞。水かけをしてもらう前には「相手の目を見てお願いしますと言って、終わったらありがとうございますと言うようにね」と礼儀も指導していた。
最終日10日は弥彦山登山を行って弥彦村農村環境改善センターにゴール。その間、保護者もまったく子どもたちと顔を合わせず、互いに家族の大切さやありがたさを知る5日間ともなる。スタートこそ青空だったが、夕方から雨、その後も10日まで毎日、雨が降る予報で、雨をどう克服するかも子どもたちの試練となる。
100km徒歩の旅は、燕三条青年会議所のOBを中心に組織する実行委員会が主催。ことしは100キロを踏破する困難を乗り越えるだけでなく、生きる力をいかに育てるかをテーマとしており、嘉瀬一洋団長(45)は、「子どもたちが自分で考え、進んで問題を解決し、課題に挑戦していく強い心をもってほしい」と成長に期待している。