三条市は8日から3日間、子ども向け職業体験型テーマパーク「キッザニア」と連携した「キッザニア マイスター フェスティバル in 三条」を初めて開き、三条市内の「ものづくりの現場」となる工場、鍛冶職人、公務員の仕事の体験プログラム計22コースに延べ369人の子どもたちが挑戦する。
初日8日は午前8時半から三条鍛冶道場で開会式を行った。国定勇人市長はじめ、来賓のキッザニアを運営するKCJ GROUP(株)の住谷栄之資代表取締役社長、参加者の子どもたちなどが列席した。
開会あいさつで国定市長は、2003年に三条市に勤務したときに「このまちはものづくりのまち」と諸先輩から誇らしげに聞いたことを話した。しかし、各企業が公害対策や騒音、においなどの問題に取り組んだ結果、「町うちに工場があるにもかかわらず、ものづくりのにおいが薄れてしまっていると感じている」。子どもたちにものづくりのDNAをバトンタッチすることを考えるなかで、キッザニアを運営するKCJと巡り会えた。
今回のフェスティバルが子どもたちにとって「かけがえのない思い出づくりになるとともに、こうした取り組みが三条のものづくりのしっかりとした継承の基盤づくりとなりますように」と願った。
住谷代表取締役は、生きる力をキッザニアで見つけてほしいと思っていると話し、子どもたちには「失敗を怖がらないでほしい。挑戦する気持ちを今回のイベントを通して身につけてほしい」、「これから日本を支えていっていただくのは皆さん方です。その第一歩にしていただければ」と期待した。
開会式に続いて、さまざまな体験プログラムが市内各所でスタートした。三条鍛冶道場では、鍛冶職人の仕事を体験する「鉄のアクセサリーづくり」と「切出小刀づくり」の2コースを行っており、小学1年生から中学1年生までの12人がさっそく体験。鍛冶職人の指導を受けながら、火が燃え盛る火床(ほど)に鉄の材料を入れて熱し、真っ赤になった鉄を金づちでたたき、和釘やてい鉄型のアクセサリー、切出小刀へと仕上げていった。
今回はただの体験ではなく「仕事」体験。子どもたちは職人の指導を真剣な表情で受け、真っ赤になった鉄や火を扱う仕事に緊張気味に手を動かしたが、職人たちも「鋼付けは温度が下がるとつかなくなる、すばやく!」、「余計なことはしないこと、そうでないと刃物はできない」など、熱心に教えていた。
切出小刀づくりに挑戦していた中学校1年金安蓮君は、「思っていた以上に大変」と言い、予想以上の熱さと金づちの使い方の難しさを実感、鍛冶職人の大変さも感じていた。