燕・弥彦総合事務組合(管理者・鈴木力燕市長)の新斎場=燕市吉田東栄=が完成。9日、午前は竣工式、午後から見学会が行われ、見学会には185人が来場した。
竣工式には約80人が参列。正面玄関前で管理者の鈴木市長と副管理者の大谷良孝弥彦村長、県議、両市村議会議長ら9人でテープカットを行ったあと、正面玄関を入ってすぐのメインホールで式典を行い、引き続き内覧会を開いた。
1972年(昭和47)に旧斎場が完成してから40年余りたって施設が老朽化。高齢化の進行で亡くなる人も増え、火葬炉も不足しがちなことから、旧斎場の裏手に隣接して建設した。
敷地約9,200平方メートル、鉄筋コンクリート造1部2階建で、建築延べ床面積は屋根付き歩行通路を含めて2,500平方メートル。旧斎場の4.5倍もの広さになる。
火葬炉は現在の重油を燃料にする4基から、現在の主流の都市ガスを燃料とした6基に増やした。高性能な集塵機によって煙突をなくし、代わりに換気扇フードのような排気口を3つ備える。昨年3月に着工、総工費は13億8,000万円。
現斎場はひとつのホールしかないが、新斎場は祭壇を備えた3つの告別ホールを設け、各ホールに火葬炉を2基ずつ設置する。各告別ホールは一度に2つの家族が入ることはなく、1家族で告別ホールを占有できる。2階までの吹き抜けの大きなメーンホールは、上から電動スクリーンを下げて左右に空間を分けることによって出入りする家族がかち合わないようにし、プライバシーの確保に配慮しているのが特徴だ。
告別ホールの焼却炉の扉は壁と同じ素材なので、扉を閉めているとそれと気付かない。焼却炉は前室を備えていて、実際の焼却炉は前室のさらに奥になる。
待合ロビーが2つあり、待合室が3つ。田園風景との調和を図るために建物は和風のデザインで、西側に大きなガラスを設けたメインホールをはじめ、待合室や告別ホール前廊下からは弥彦山を見渡すことができる。
供用開始は16日。使用料は燕市と弥彦村の住民から12歳以上で8,000円で、旧斎場の5,000円の6割増しとなる。ただし、三条市や新潟市、長岡市、柏崎市、五泉市の県内5市は斎場の使用料を無料とする一方、十日町市や佐渡市は2万5,000円と、使用料の設定に対する考え方はまちまちだ。
見学会は午後1時から4時まで行い、男80人、女105人の185人が来場。冷たく寂しい印象の現斎場とは対照的な新斎場の温かく開放的な空間に目を見張っていた。