燕市社会福祉協議会は8日、吉田支所で平成26年度初心者向けボランティア講座として傾聴ボランティア体験講座を開き、傾聴に関心のある6人が受講した。
ボランティアに興味や関心があっても実践するには大きなハードルがある。すでに実践している人たちの話を聞き、実践への足掛かりにしてもらったり、ボランティアの初心者には先輩から学んでもらおうと毎年、学生も参加できるように夏休みの時期にあわせて初心者向けボランティア講座を開いている。
今年度は7、8月中に点字、手話、要約筆記、視覚障害者パソコンサロン、傾聴、子育てサロンの6つの講座を計画し、この日は傾聴ボランティア体験講座。2009年に発足した市内の傾聴ボランティア「ゆう&あい」(石原詩子会長・会員17人)の会員2人が講師を務め、傾聴の3つの精神、受容力を高めるポイント、共感とは、具体的な実践法などについて話した。
受講したのは男性1人、女性5人で、大学生から仕事をリタイヤした人まで。三条市、弥彦村、長岡市からの参加もあり、視覚障害者も参加した。それぞれ参加した理由について、「自分でもいろいろやってきたが、もっといいものが聞けたら、いい形のコミュニケーションができるのでは」、「学校とは別のことが学べると思って」、「一方的に話をしてしまうくせがある」、「残りの人生をもっと有意義にしたい」などと話していた。
「ゆう&あい」会長の石原詩子さん(62)=燕市吉田西太田=は、7年前に傾聴を始めた。自身は決して聞き上手ではなかったと言い、「打算的で、人に好かれたいと思って傾聴を始め、人の話を聞くのがどういうことか、極めたかった」。
「ちょっとかじったら、人が寄ってきて、慕ってくれるようになった。人を見るとどうほめようかと、前向きな見方ができるようになった」と相手だけではなく、自分にも大きな変化をもたらしてくれたことに感謝している。
しかし、傾聴はただじっと相手の話を聞いていればいいわけではない。「1年くらい前にやっと何を聞けばいいのかわかってきた。その人の感情を聞くことが大切」と奥の深さを痛感している。
傾聴ボランティアの対象に限定はないが、高齢者や認知症のある人などからの需要が年々、高まっているが、まだボランティアをする人は少ない。傾聴ボランティアに関心のある人は燕市社会福祉協議会(電話:0256-62-4361)へ。また、今年度の初心者向けボランティア講座は、最終回の19日午前9時半から小中川公民館で開かれる子育てサロン体験を残すだけ。