過去最多となる4年生以上の小学生74人が参加して4泊5日で行われた三条市、燕市、弥彦村と計100キロを踏破する「寺小屋つばさ100km徒歩の旅」は10日、ひとりのリタイアを出すこともなく全員がゴールし、それぞれに感動の達成感や充実感を味わった。
ことしで第7回となった“寺100”。学生スタッフも過去最多の50人を数えた。最大の敵は暑さだが、ことしは外にいるだけで体力を奪われるような酷暑に見舞われたのは初日6日くらいで、2日目の夜からはたびたび雨に降られ、3日は台風接近の影響でポンチョを着ていてもそのなかでびしょぬれになった。
最終日は最後の難関、弥彦山登山。前夜も雨が降ったため、安全を確認するため日の出とともにスタッフが登山して安全性を確認したうえで行った。ここまでは例年以上に順調だったが、体調を崩して遅れる子どもがあった。その子どもだけ後からついてくればいいが、同じ班の子どもたちがひとりだけ置いてはいけないと、みんなで遅れた子どもにペースを合わせて無事に登頂した。
ゴールは弥彦村農村環境改善センター。前夜に互いに寄せ書きして黒くなったTシャツを着て三度笠をかぶった子どもたちは、歩調コールで大きな声を上げてゴールを目指した。疲れたのは体だけではなく、下り坂では早く帰りたいという気持ちからか駆け足になった。保護者も同様で、ゴールするまで子どもとは顔を合わせないように指導しているが、ゴールで待っていられずに道路に出て遠くからようすを見る人も多かった。
ゴールでは班ごとにゴール前に並び、「最後のい〜っぽ!」などと声を合わせてテープを切った。なかには、ゴールは終わりでなく、これからが「最初の一歩!」と言う班も。ゴール直前から泣いている子どもも保護者も多く、子どもたちは泣いている自分が恥ずかしそうにうつむきながら保護者の胸に飛び込み、保護者は「頑張ったね!」と子どもをぎゅっと抱きしめ、日常にはない感動を子どもと共有していた。
このあと体育館で解団式を行い、嘉瀬一洋団長から子どもたちに完歩賞の賞状を贈り、子どもたちは全員で練習した合唱を披露した。あいさつで嘉瀬団長は5日間の行程を振り返り、学生スタッフは子どもたちに本気になっていろんなことを伝えたことや子どもたちを預けてくれた保護者にも感謝し、「本当に子どもたちは頑張りました。みんな頑張った。そんな姿を団長は誇りに思います。皆さん本当に良く頑張りました。お疲れさまでした」と会場のみんなをねぎらった。