県は29日、(仮称)県央基幹病院の整備に向けたアウトラインを公表。設置場所はJR燕三条駅、三条燕インターチェンジ周辺から用地面積5万平方メートルていどを確保できる場所を候補地に選定。開院は「平成30年代のできるだけ早い時期」とした。
燕労災病院と=燕市=と三条総合病院=三条市=を再編し、運営主体は財団法人などを基本に両病院の経営主体と具体的に調整する。(三条市)を再編し、「公設民営」方式で整備・運営することが決まっている。燕労災病院は県へ早期移譲する。
この日、小池清彦加茂市長は、加茂病院の全面建て替えに際しての再再度の要望書を県知事に提出したことについて行った記者会見で、記者からアウトラインの公表を問われて答えた。加茂市は加茂市内への県央基幹病院の設置を要望していた。
小池市長は、発表はまだ聞いていないが、今回の要望書の提出のときに副知事などからアウトラインについて説明を受けたと話し、その内容の通りなら「建設を固めていく段階ではまだまだ序の口のこと」と話した。
さらに、「私がはっきり申し上げていたのは、魚沼基幹病院の例はあるとはいえ、関係市町村を経営主体にいれることは困る」と小池市長は、これまでも言っていることと話した。
「それをやると、県も経営主体に入るので、非常に弱い財団法人なので、弱い財団法人だから採算が取れなくなると、市町村が入っていると市町村がお金を大量に出さなくてはならなくなる」と指摘した。
「魚沼基幹病院は状況が違い、もともと南魚沼市が持っていた病院があって、その病院も一緒になって基幹病院を作ったので、南魚沼市も当然、経営主体に入り、ほかの市町村も入ることになったんだろう。県央においては、燕労災病院も三条総合病院も市町村とは関係ないわれわれノータッチの病院。それを一緒にしたとたんに、経営のなかに市町村入れと言うのは筋が通らない。またそんなことをされたのでは大変なことになるので、これだけは申し上げている」とした。
「あとは加茂病院が先に執行するわけだから、われわれは大満足で、ひたすら感謝でございまして、そのこと以外に県央基幹病院に申し上げることはございません」と話した。
国定勇人三条市長、鈴木力燕市長もそれぞれコメントを発表し、アウトラインの公表を「一歩前進」と受け止め、歓迎した。両市長のコメントは次の通り。
国定勇人三条市長
新潟県知事から示された「県央基幹病院の整備に向けたアウトライン」について、基幹病院の整備に向けて一歩前進したものと受け止めている。
今後、基本構想に盛り込まれた機能のの最大限の発揮と早期実現の観点で、経営基盤の安定に適う経営主体の確保に向けた調整に併せ、設置場所についてもできるだけ早めに選定され、具体的な整備計画の策定につなげていただきたい。
さらに、地域医療に貢献されている三条総合病院の機能の方向性については、地域住民と密着した既存の機能が十分確保されるよう、新潟県と厚生連で検討していただきたい。
鈴木力燕市長
本日、県央基幹病院の整備に向けたアウトラインが公表されたことは、知事をはじめ、関係者の皆様のご努力によるものと敬意を表するものであります。
このアウトラインによって、県央基幹病院開院までのスケジュール感の目安が示されたことは、一歩前進したものと評価したいと思います。
設置場所についても、ある程度はっきりするものと期待しておりましたが、「今後の進め方」に書いてあるように、できるだけ早く結論が出されるよう、一層、議論を深めていただきたいと考えております。