燕三条地域の若手農家でつくる「燕三条イタリア野菜研究会(通称:イタ研)」(内山徳寿会長)は16日、国定勇人三条市長を訪問し、イタ研メンバーがことし収穫した三条産の小麦を使って作ったラーメンの麺を試食してもらった。
小麦を栽培したイタ研の内山会長と農業組合法人「亜倶璃さんじょう」の野崎太郎さん、三条産小麦でパンを製造している手作りパンの店「サン・フォーレット」の磯辺隆社長、三条産の小麦でラーメンの麺を作った「大衆食堂 正広」の阿部圭作店主が市役所を訪れた。
阿部店主は、いつも通りの三条産小麦0%の麺と、三条産小麦を10%、20%それぞれ加えた3種類のゆでた麺を用意し、だし汁につけて試食してもらった。小麦粉は胚乳だけを使うのが一般的だが、三条産の小麦は収量が足りず機械にかけられないため、石うすでひいて表皮、胚芽、胚乳をを含む全粒粉(ぜんりゅうふん)で使っている。
そのため麺のこしを強くするために使われる“かん水”として反応して茶色になり、用意した麺はひと目見て0%より、10%、20%の麺がより色が濃くなっているのがわかる。
試食した国定市長は「おとなの味がする」、「和っぽい。落ち着いた感じがする」とプラス評価。ただ、「三条産の小麦を使ってるいることをどうやってアピールするか工夫が必要」とし、「強気な値段設定ができるのでは」と将来性に期待した。
「サン・フォーレット」の磯辺社長は、自社で製造する“三条小麦”と銘打ったパン5種類と菓子種類を商品化しており、それらを紹介。内山会長は、ことしは野崎さんとふたりで昨年の1.2倍の約2.2トンの小麦を収穫したが、来年は小麦の生産者を増やして三条特産の車麩(くるまふ)にも挑戦したいとし、さらに大麦も栽培して「学校給食にも使ってもらえたら」と夢を膨らませていた。
イタ研は、三条産の小麦でパンを作りたいというサン・フォーレットの要望を受けて昨年、初めて小麦を収穫し、ことしで2年目。同時に三条産小麦を使った新たな商品も模索しており、ラーメンの麺への使用は昨年からの構想だった。
これに先だって12日には正広で麺の試食を行っており、大胆に三条産小麦が0%、50%、100%の3種類で、しょうゆラーメン、塩ラーメン、みそラーメン、カレーラーメンで食べ比べた。正広での商品化はまだまだこれから。阿部店主は「三条産の小麦でなければ出せない料理ができれば、いちばんいい。この小麦粉を使わなければならないおいしさがあれば」とさらに研究を続ける考えだ。