21日から10日間の秋の交通安全運動にあわせて、燕署吉田交番の警察官が長女とコラボして描いた交通安全を訴える“萌え系”のキャラクター「酒呑童子くん」が誕生した。
「酒呑童子くん」は少年のような体形で、真っ赤な髪から小さな角が飛び出し、大きな目の瞳は紫色。トラ柄の甚平のような服を着て、酒の入った大きなひょうたんとっくりを背負っている。背景には禁止の標識マークと「ダメ!飲酒運転!」の字句が描かれている。いわゆる萌えキャラと並べてもまったく違和感がなく、玄人はだしの仕上がりだ。
19日に燕市国上、道の駅国上で行われた「きららん」の一日署長任命式と鬼メークの署員による特別街頭指導所の開設で初めて披露された。
キャラクターの制作を任されたのは、イラストが得意な吉田交番の巡査部長、羽田忠さん(45)。過去に警察白書の表紙のデザインコンクールで全国表彰されるほどの腕前の持ち主だ。
それを知る吉川一直副署長から28日に道の駅国上で行われる地元分水地区に生まれ育ったとされる伝説の鬼“酒呑童子”にちなんだ「越後くがみ酒呑童子行列」をからめた交通安全を呼びかけるキャラクターをと依頼を受けた。
羽田さんは国上出身のこともあり、喜んで制作にとりかかり、強いイメージと柔らかいイメージの酒呑童子を描いたが、納得がいかない。羽田さんが目指したのは「はやりの“萌え系”」。そこで白羽の矢を立てたのは、高校3年生の長女。三条市の美術コンクールで賞をもらった経験もあり、イラストが得意だ。
羽田さんは構図などのあたりをつけ、「指示書を書いて出したら、いいものができた」と言う。長女が描いた線画をパソコンに取り込んで羽田さんが着色し、父娘の共同作業で完成した。
このキャラクターをどのような形で使っていくかはこれから検討するが、交通安全関係を中心に交番の発行するミニ広報紙などへの掲載などを考えている。酒呑童子はその名の通り大酒飲みだったと伝われることから、飲酒運転防止の広報で活躍しそうだ。