最後の越後瞽女(ごぜ)で三条市の名誉市民となった同市出身の小林ハル(1900-2005)さんの黄綬褒章35周年記念瞽女文化顕彰事業として20、21の2日間、三条市中央公民館で瞽女小林ハル資料展「良い人と歩けば祭り、悪い人と歩けば修行」が開かれている。
越後瞽女と小林ハルさんをそれぞれ紹介する2部構成の展示。写真愛好家の故相場浩一さん=燕市=が越後瞽女を撮影したモノクロ中心の写真17点をはじめ、小林ハルさんを撮影した写真やハルさん受けた黄綬褒章や三条市名誉市民の称号を受けたときの金杯、ハルさんが使っていた三味線やくつ、ご飯を入れるわっぱなどを展示している。
初日は20日は午前9時45分からオープニングセレモニーを行い、主催する三条市の国定勇人市長は「この資料展をひとつの契機として、これよりのちの他の名誉市民の皆さま方の足跡と同様、毎年こうした小林ハルさんの功績をひとりでも多くの市民の皆さま方に来ていただくイベントであったり、何かほかの工夫をさせていただきながら展開をしていきたい」とあいさつした。
さっそく小林ハル瞽女唄保存会の野嵜久次会長によるギャラリートークに始まり、小林ハルの瞽女唄を伝承する越後瞽女・葛の葉会が瞽女唄披露と瞽女唄体験、瞽女をテーマにつくったオリジナル曲「瞽女のハルさん」を歌う加茂市のシンガーソングライター藤本すすむさんがトーク&ライブ、保存会による紙芝居の披露が行われた。
三条市が小林ハルの展示会を開くのは、一昨年に三条市歴史民俗産業資料館で開いて以来2年ぶり。21日も午前9時半から午後5時まで開かれる。入場無料。