三条市丸井今井邸は27、28の2日間、三条市での開催は最後という「本庄基晃・眠月墨彩画展」を開き、長野市在住の画家本庄基晃さん(76)と弟子で二代目「荘眠月(そうみんげつ)」の鎌原知子さん(55)の野仏などを描いた作品を展示即売している。
本庄さんは昭和13年、北海道岩内町生まれ。子どものころ長野県松本市に転居。東京芸術大学で油彩画を学んだが、原因不明の失明に見舞われ、長野に戻った。数年後に奇跡的に片目だけが回復、再び絵筆をとった。日本や欧州各地で個展を開催。平成8年、50歳のときに画集を出版。三条市での作品展は、旧栄町の徳誓寺や旧パルムで開いている。
眠月さんは、長野県千曲市生まれ。平成16年に本庄さんに出会い、墨彩画の指導を受け、本庄さんの墨彩画を二代目「荘眠月」として継承。現在の仏の絵は眠月さんの作品となる。
抽象画を中心とした本庄さんの作品15点と、三頭身の愛らしい表情をしたユニークな仏を中心にした眠月さんの作品15点の計30点を展示。本庄さんの作品は、フランスでの個展にも展示した軸や額装で、眠月さんの作品は、4月に発行した作品集『あえてよかった』の原画が中心だ。
本庄さんと眠月さんは、各地で個展を開いているが、「展覧会はやりとげた」という心境で、ことしで一区切り、来年からは拠点の長野県での開催だけとする。2015年5月2日から29日まで千曲市・アートまちかどで回顧展の開催が決まっている。
三条市での開催は、今回が最後。三条市での作品展を始めてから17年以上、ほかの地域と比べても、三条はたくさんの人が絵を見に来てくれた特別な場所だという。
また、眠月さんは東日本大震災発生後から、色紙に仏の絵を書いて三条市の知人を通じて被災地や被災者に届けることをライフワークにしており、これまでに約1,500枚の色紙を書いている。三条での個展は一区切りだが、三条の知人に色紙を託すこの活動は続けていくと言い、三条とのつながりは続く。
墨彩画展は、午前10時から午後5時まで。入場無料。