燕市分水地区の砂子塚で生まれたとされる伝説の鬼「酒呑童子」をモチーフに毎年、燕市で行われている「越後くがみ山 酒呑童子行列」。第10回の節目となったことしは28日、燕市国上、道の駅国上で行われ、絶好の秋晴れに恵まれて人出は主催者発表で昨年の1万人を上回る1万2,000人にのぼった。
燕市観光協会(山崎悦次会長)が主催。ことしは第10回記念として書家の金澤翔子さんに揮毫(きごう)してもらった「酒呑童子行列」の書をデザインしたのぼり旗を作成。昨年、燕市PR大使に就任した燕市(旧吉田町)出身の元プロレスラー、キラー・カンさんがゲストに訪れた。
ステージイベントでは、里神楽、酒呑童子の伝説を劇にした酒呑童子変化、そして酒呑童子が征伐されたとされる京都府福知山市大江と佐渡の鬼太鼓、本成寺の鬼踊りも登場。福知山市からは分水地区より以前から酒呑童子にちなんだ行列を行っており、ことし初めてその行列に加わる甲冑(かっちゅう)隊が参加の予定だったが、夏に水害に見舞われたため、鬼の着ぐるみだけの参加となった。
会場では鬼メークのコーナーを設け、周辺の警備員はもちろん、警察官や坊さんまで鬼メークで心をひとつにして盛り上げた。鬼の仮装コンテストには10組が参加し、日本エレキテル連合の朱美ちゃんお鬼まで登場して笑いもいっぱいだった。
メーンの行列には、382人が参加した。これまでは国上山中腹の国上寺から林道を下る形だったが、見物客がいないこともあり、ことしは道の駅国上周辺を行列した。キラー・カンさんの音頭で「えい、えい、おーっ!」と勝ちどきを上げて出発。先頭はうちわ太鼓でリズムをとり、途中でも勝ちどきを上げたり、ウエーブを行ったりして進んだ。県道も歩き、ドライバーに対するアピール度も抜群だった。
三条市の冨田広子さんはママ友と親子9人で昨年に続いて仮装コンテストに出場した。チーム名は「週末ヒロインにじいろクローバーZ」。モモクロと日本エレキテル連合が仮装のテーマで、「去年、初めて来て、とりあえず鬼っぽい格好で出たけど、面白かったのでことしも出てみました。来年は優勝を目指して頑張ります」と入賞は逃したが、ご機嫌だった。