燕市と弥彦村は30日午前11時から燕市役所で燕・弥彦地域定住自立圏形成協定調印式を行った。燕市議会の斉藤広吉議長と弥彦村議会の本間博明議長も同席し、燕市の鈴木力市長と弥彦村の大谷良孝村長が調印を交わした。
燕市では、観光でつながりの深い弥彦村に声をかけて定住自立圏の取り組みを進めている。定住自立圏は、自治体の枠を超えた広域的な取り組みや行政と民間の連携、役割分担により地域全体の活性化を図ろうという国の施策で、燕・弥彦地域の場合は年に特別交付金が最大で燕市3,000万円、弥彦村1,000万円が交付され、定住自立圏に伴う事業費に充てることができる。
燕市と弥彦村は、昨年8月に担当部署による燕・弥彦地域定住自立圏連絡調整会議を設置して取り組みを始め、ことし1月には定住自立圏の要件である中心市宣言を燕市が行い、さらに両市村議会での議決などをへてこの日の調印式となった。
今後のスケジュールは、10月から燕・弥彦地域定住自立圏共生ビジョン懇談会の設置と開催、来年3月に同ビジョンの策定と公表、4月に同ビジョンの事業をスタートする。
具体的には燕市は弥彦村との観光ルートの作成や観光PRでの協力が期待される。弥彦村にとっては巡回バスを運行しているが、燕市の循環バスやデマンド交通のネットワークを弥彦村まで拡充することにより、燕市内の県立吉田病院や燕労災病院へ通院するための公共交通を確保できる。今春、燕市が始めた病児・病後児保育運営事業についても、利用方法や負担金はこれから検討するが、弥彦村民も利用できるようになることが期待される。
鈴木市長は「これからの地方はそれぞれ得意分野を生かしていろんなテーマごとに連携することが大切」で、「弥彦村とはわれわれの足りない観光面を連携することによって燕市としても魅力ある人を呼び込める地域づくりができる。ほぼ同じ生活圏のなかで医療、福祉、これまでも連消しているが、より国の財源的な支援を得たなかで取り組めるのは非常に有意義」とした。
大谷村長は、兼ねてから議会や村民から公共交通の充実の要望があり、村内では巡回バスを運行しているが、県立吉田病院、燕労災病院への通院の足を確保してほしいという具体的な要望もあり、鈴木市長から受けた話のなかで「わたしどもの公共交通の充実に取り組むくことができるとのことで、これは渡りに船だとぜひお願いしますと始まった」と話した。