燕三条地場産業振興センター(理事長・国定勇人三条市長)は1、2の2日間、同センターで「燕三条ものづくりメッセ2014」を開いている。昨年まで毎年開いてきた「燕三条ものづくり連携フォーラム」を移行させる形で初めて開き、ものづくり系展示会としては日本海側最大級となる203社・団体が出展し、目を見張るような規模の大きな展示会となっている。
初日1日は、アニメ「機動戦士ガンダム」を思わせる注目度抜群のデザインの高さ5.8メートル、幅10メートルもある巨大なゲート前で開場式を行った。来賓の経済産業省関東経済産業局の渡辺豊産業部長、新潟県産業労働観光部の庭野芳樹副部長をはじめ、約200人が参列し、さわやかな秋晴れの下、12人でテープカットを行って幕開きした。
出展企業の内訳は、加工技術分野(機械加工、精密板金など)106、民生品分野(作業工具、ハウスウエアなど)34、機械装置分野(工作機械、溶接機など)31、産学研究機関(大学、高専、支援機関など)17、ソリューション他(設計開発、知的財産など)15。
昨年の連携フォーラムは56社だったが、ことしはその4倍近い203社に膨らみ、多目的大ホールだけではとても足りず、隣接する駐車場に20×60メートルの体育館のように巨大なテントを設営して会場を増設。一部は屋外に展示して目いっぱい会場を使ってブースが並んだ。
来場者の出足も順調で、昨年の連携フォーラムの1,300人の人出に対し、今回の目標は5,000人に設定したが、早くもそれを上回るのではないかという関係者の声も出ていた。
同センター理事長の国定市長は会場を回って「心のなかで泣いてますよ」と感激していた。昨年、長野県諏訪市で開かれた「諏訪圏工業メッセ」を見学したのがきっかけだった。燕三条地域で開かれる見本市とは比べものにならないほど規模が大きく、332社・団体が519ブースに出展していた。ところが、諏訪圏工業メッセは、燕三条の見本市を真似て始まり、燕三条よりいいものをつくりあげていた。
「これなら燕三条でもやれると思った」と国定市長は発奮。そこからトップダウンで今回の燕三条ものづくりメッセのプロジェクトが始まった。「それからのアクションは早かった。でも本当に職員が良くやってくれた。ぼくの思い以上のものができた」と国定市長は感無量だった。
とはいえ「大勢の人に来てもらうことが大事。バスも来てるし結構、いい出足。この形を継続させることで価値と求心力を高めていきたい」と確かな手応えを感じていた。国定市長が直接、声をかけて出展した企業もあり、フィギュアのメーカーや燕三条で協力企業を探している金属加工メーカーもあった。
鈴木力燕市長は「全国的に有名な企業も出展していて、すばらしい展示会になった」と喜び、「あとはどれだけ商談に結びつくか。それがいちばんの成果指標なので」と期待した。
大学生の来場も目立った。新潟市・新潟国際情報大学情報文化学部情報システム学科の内田亨教授の研究室からゼミ生の3年生9人が来場した。就職に向けてどんな企業があるのか確かめたり、現場の人の話を聞いたりするのが目的。ゼミ生はあらかじめ見学の日程や見学する企業の順番などを計画、資料を作成して見学した。
これまでも内田ゼミで展示会の見学を行ったことはあるが、燕三条地域の展示会に訪れたのは初めて。ことしは内田ゼミから2人が燕三条地域に就職したと言う。内田教授は「就職は県内志向の学生が多いが、ここに出展している企業を学生はほとんど知らず、非常にいい機会」と話していた。
また、特設テント前を飾った高さ5.8メートル、幅10メートルもあるアニメ「機動戦士ガンダム」風デザインの入場ゲートが注目を集め、写真を撮る人も目立った。弥彦村に住む36歳の主婦は、これが見たくて4歳の二男とふたりで来場し、ゲートの前に二男を立たせて記念撮影。「子どもはガンダムを知らないけど喜んでいた。プロの展示会だけど子どもも楽しめるようなものも用意してくれたらうれしい」とガンダムテイストを喜んでいた。
初日の開場は午前10時から午後5時半までだった。夕方になっても会場のにぎわいは衰えず、4時半の時点で来場者は2,000人に達し、目標の5,000人の達成が視野に入っていた。
2日は午前10時から午後4時まで開場。また、午前10時から昨年初めて行って好評だった金属加工メーカーがアイデアと技術をこらしてケンカゴマで対戦する全日本製造業コマ大戦燕三条特別場所を行う。