ことし最後の「三条マルシェ〜ごった市@ホコテン」が13日、歩行者天国にした三条市の目抜き通りなど延長2.1キロを会場に開かれた。出店は172を数え、台風19号が接近中で昼前から雨に見舞われたにもかかわらず、6万6千人もの人出でにぎわった。
さすがに昨年の9万8千人の来場者には及ばなかったものの、悪天の割には上々の人出だった。朝のうちは曇りで、時間がたつにつれて雨が降る可能性が強まると予想されたため、スタート当初はふだんと変わりない出足の良さだった。
昼前に一時的に強い雨が降ることもあったが、その後はいったん収まって時々、小雨が降るていどにとどまり、予想されたような強い風雨は免れた。さすがに天気が気になってあまりのんびりする気分にはなれなかったが、1年で最大のことし最後の三条マルシェにふさわしい盛り上がりを見せた。
イベントも数多く行われ、なかでも注目だったのが、マルシェ婚。佐藤聖之さん(25)、和奈さん(35)夫婦の結婚イベントを行った。聖之さんは福島県南相馬市出身の元力士で、東日本大震災で三条市へ避難し、三条市に住み続けることにした。聖之さんはちゃんこ鍋、三条市出身の和奈さんはリラクゼーションで三条マルシェに出店してふたりは出会い、昨年11月に結婚。ことし9月に結婚式を行ったばかりだ。
当時、聖之さんは三条市職員として三条マルシェを裏方で支え、その後も出店者ととして三条マルシェとかかわる。親しみやすく気さくな人柄もあって人望を集め、三条マルシェの“顔”のひとりだ。
その聖之さんの結婚はやはり三条マルシェでも祝おうとなった。聖之さんは羽織はかまの予定だったが雨が降りそうなため、おなじみの相撲のまわし姿で。和奈さんは振り袖を着て、ふたりで手をつないで大通りを歩き、メーン会場の三条別院へ向かった。来場者から自然の「おめでとう!」の声が上がり、ふたりと並んで記念撮影する人もいてお祝いムード満点だった。
三条別院では、ふたりに花束を渡したり、国定勇人市長が神父役となって誓いの言葉を読み上げたり。もちろんふたりの熱いキスもあり、最後はみんなで「フォーチュンクッキー」を踊った。聖之さんは祝福してくれた人たちに「これから先、三条市でふたりの人生をしっかり歩んでいきます」と礼を述べた。
一方、歴史的建造物の旧外山虎松商店=神明町=をリフォームして生まれた燕三条シェアスペース&ライブラリーのグランドオープンのイベントも行われた。国定市長も出席し、つないだ布をはさみで切るテープカットや来場者へもちの振る舞いを行った。
グランドオープンとは言いながらもまだリフォームは終わっておらず、しっくいを塗りかけの2階の壁では、自宅の壁に自分でしっくいを塗ったという国定市長がしっくいを塗る手伝いをした。
また、三条マルシェはことしで5年目になったが、今回で来場者通算70万人も達成。ことしの三条マルシェを無事に締めくくった。