三条市は発掘調査の進む栄地区の大原遺跡・道東遺跡の発掘現場で19日の午前10時からと午後1時からの2回、現地説明会を開く。
2回とも調査を担当している三条市市民部生涯学習課文化財係の高野晶文主任が2時間、遺構の現地見学と説明、調査写真と出土遺物の展示と説明、周辺の遺跡の調査写真と出土遺物の展示と説明を行う。
遺構の一部は、遺物を見つけるとその下の土だけ柱のように残してそれ以外の部分を掘り進めた、遺物が見つかった位置がわかりやすいようにした所もある。雨なら現場調査事務所内で調査写真と出土遺物の展示だけ行う。
市道矢田中曽根新田線道路改良に伴って発掘調査を行っているもので、7月中旬から10月末まで現地調査を行い、今年度末まで整理作業を行うスケジュール。現場は大面小学校から北へ約500メートルの所で、2つの遺跡は東西で隣接し、調査面積は西側の大原遺跡が約1,500平方メートル、東側の道東遺跡が約2,200平方メートル。
大原遺跡は平安時代、道東遺跡は平安時代とさらにその下に古墳時代の遺構が広がっており、竪穴式住居の可能性がある柱穴も見つかった。これまでに数千点に及ぶ須恵器や土師器(はじき)の破片などが出土している。
道東遺跡から出土し、復元した古墳時代の土師器のかめは、直径25センチ、高さ30センチくらいあり、底に穴が開いた底部せん孔土器。外側にはすすが付いており、内側には焦げあとがあって火にかけたことがわかる。古墳時代の住居跡からは高坏も出土している。
道東遺跡は事前の調査では平安時代の遺構しか確認されていなかったが、その10センチから20センチ下に古墳時代の遺構の存在が明らかになった。近くには自然堤防上の遺跡があり、20年くらい前の大面ほ場整備で大面荘の存在が判明していたが、大面荘はこれまで考えられていた規模より大きいことが今回の調査でわかった。古墳時代の遺構としては、五十嵐川の南側でこれまで最大規模だ。
さらに栄地区と見附市の境界には古墳らしいものが存在しており、この遺跡から近い栄地区で最も高い大龍山(おおたつま)には、古墳が存在していた可能性もあるのではとロマンを膨らませることもできる。
現地説明会に関する問い合わせは現場事務所(電話:0256-46-0952)か高野主任(電話:080-2051-9700)へ。