三条署と三条信用金庫は23日、三条信用金庫島田支店(本間達也支店長・三条市島田2)で強盗訓練と特殊詐欺被害防止訓練を行い、けん銃を持った2人の男が押し入り、人質をとって金を奪う想定で訓練した。
窓口模擬訓練の内容を実際の窓口業務に活用し、特殊詐欺被害の発生防止と防犯の強化を図るの目的。強盗訓練、特殊詐欺被害防止訓練の順に行った。
入り口に現われた2人組の男が、けん銃を「パン、パン」と鳴らして店内に入り、ひとりはけん銃を職員に向けて「手を上げろ」、「変なことするなよ、撃つぞ」と大声を上げて金を要求し、もうひとりは客役の男性職員を人質にとって脅した。
訓練とはわかっていても、けん銃を向けられ大声で怒鳴り続ける犯人に、窓口内の職員は両手を上げて顔をこわばらせ、訓練を見学するほかの店舗の職員も真剣な表情。犯人に対応する男性職員は「今(金を)持ってきますから、落ち着いて」とジェスチャーもつけて繰り返し、冷静に対応。犯人は金を受け取ると、けん銃を向けたまま入口まで行き、店を出る瞬間に人質を放して、逃走。この間、わずか3分ほどだった。
犯人に対応した須佐良弘調査役は訓練後、けん銃を持っているということは、人質も職員も場合によっては命にかかわること。金は渡してもという気持ちで、人命第一を考えて行動した。「わかっているけれども、どきどきした」と迫力の訓練を振り返り、絶対にあってほしくないが、経験しておくことで万一のときには落ち着いて対応できるのではと訓練の大切さを話した。
また、訓練のひとつで犯人の人相や特徴の観察も行い、女性職員が、2人ともマスクにサングラス、紺色と灰色の作業着、体格や声の特長などを訓練後に答えた。今は店内外に多数の防犯カメラも設置してあるが、どういうパターンで発生するかはわからないものでもあり、犯人の特徴などは意識していないとなかなか記憶できない。
続く特殊詐欺被害防止訓練では、現金300万円を下ろしに来た客と定期預金を解約したいとする警察官がふんする客役2人への対応の訓練。使い道などを聞きながら、三条署へ通報し署員に来てもらうところまでを実践した。
窓口の職員は、今は特殊詐欺被害が多発していることから警察から大金を引き出す客にいくつか確認するように言われている、簡単なのはアンケートを実施しているなどと話しながら、使い道を聞いたり、特殊詐欺ではないかとの声掛けを行い、どちらの客も「急いでいる」、「自分のお金なのになぜ使い道まで聞かれるのか」と、特殊詐欺の要素がたくさんあるなかでも納得しない客役に、理解を求めようと職員間や警察と連携し、丁寧に対応していた。