ソフトボール日本代表の監督として五輪で活躍した宇津木妙子さんを講師に2日、燕市・スポーツランド燕でミズノビクトリークリニックのソフトボール教室が開かれ、75人が参加して宇津木さんの熱血指導に学んだ。
今年度から燕市体育施設指定管理者となっている燕市体育協会・ミズノグループが主催。全国各地でトップアスリートのミズノの社員選手や契約選手による実技指導や講演を行うミズノビクトリークリニックとして開かれた。
燕市、三条市、新潟市、長岡市、上越市から小学生から社会人のソフトボールチーム7団体から選手と監督、コーチの合わせて75人が参加した。
宇津木さんは埼玉県生まれで。女子ソフトボール日本リーグ1部だった岐阜ユニチカ垂井に所属し、74年に世界選手権に出場。現役引退後は日本代表監督として98年に世界選手権で銅メダル、00年のシドニー五輪で銀メダル、04年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、今も日本のソフトボール界の顔として精力的に活動している。
宇津木さんはアスリートとしては小柄だが、最初からびしびしと指導。グローブを乱雑に置いていた社会人チームに、すぐにグローブをちゃんと並べに走らせ、「もたもたしない!」、「おとなの背中を見て子どもは育つんだから」、「物を大切にすること、整理整頓しないとだめだよ!」と口調も厳しく、男性でもびくつく迫力だった。
大きな声で返事する、目を見て話す、走って集合の3つのルールを参加者と約束。返事がちゃんとできないとできるまで何度も繰り返した。ランニングからストレッチ、投球や捕球の基本動作、ノックによる捕球の練習を行い、投手は一部、別メニューで同行した東京国際大学女子ソフトボール部の4年佐野美知留投手が指導した。
ノックで宇津木さんは高速ノックを披露。相手の動きを見ながら、届くか届かないかくらいの所に絶妙にボールをコントロールし、「前へ出て!」、「はい、頑張って!」と声をかけた。監督やコーチへのノックは、選手に「あたしがみんなのかたきをとってやるから」と、さらに容赦ない本気モードのノック。鈴木力市長も呼び込んでノックに参加し、宇津木監督に「意外とうまいね」とほめられる見事なグローブさばきを見せた。
指導を終わると宇津木さんは、参加者を集めてソフトボールをやらせてもらうえるような「いろいろなことをやれることに感謝しないと」、「いろんなことを連携プレーでつないでいってほしい」、「みんなの夢をかなえてあげるのがわたしたちの仕事」などと話した。
参加者を代表して新潟市全域の女子ソフトボールチーム、新潟モンスターズソフトボールクラブの主将、新潟市立青山小学校6年大沢雪野さんが「最初は緊張していたけど、楽しくやることができた」と宇津木さんに感謝した。宇津木さんはなぜ厳しく指導するかの理由も話し、参加者も練習を通じてそのことを実感。いつの間にか練習に夢中になり、終わってみれば2時間の練習では物足りないくらいだった。