新潟の鉄路の新たな顔となる新潟地区向け新型車両「E129系」試運転進む(文:角田遥) (2014.11.4)

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10月8日に新潟で生まれ、そして新潟で使われる新型車両「E129系」が、すでに試運転という形でひとあし早く姿を現している。

 工場から出てきたばかりの新潟地区向け新型車両(2014.10.8撮影)
工場から出てきたばかりの新潟地区向け新型車両(2014.10.8撮影)

新潟をイメージしたという黄金色と淡いピンク色の帯をまとった「E129系」は、新潟で使用されるために設計・製造された。

JR東日本が昨年、発表した資料によれば、2両ひと組のものが30編成、4両ひと組のものが25編成作られる計画だ。今回、登場したのはこのうちの2両ひと組の編成で、これを2組連結することで4両編成、3組連結することで6両編成にすることもできる。

今後、主に製造から40年前後が経過している国鉄時代から使用されている「115系」が、段階的にこのE129系に取り換えられて世代交代が進んでいく見通しで、早ければ今冬にも新潟地区で営業運転を開始する予定。もちろん、県央地区を通る信越線、越後線、弥彦線でも活躍するだろう。

すでに10月中旬より新潟県内の各線で試運転を開始しており、信越線にも姿を現している。通勤通学で鉄道を利用している人や、信越線の線路の近くを通った人はすでに目撃しているかもしれない。

筆者も日常的に鉄道を利用している一人で、さっそく何度か目撃した。一体どんな車両だろうか?。特徴や気になる車内の設備を中心にご紹介したい。以下の写真は一部を除き10月30日、東三条駅にて撮影。

日が沈んだ東三条駅で小休止するE129系
日が沈んだ東三条駅で小休止するE129系

白く輝くヘッドライトは高輝度LED製で、従来のものよりも視認性に優れているという。左右それぞれに2灯ずつあり、ロービーム時は外側のみが、ハイビーム時は合計4灯全てが点灯する。
白く輝くヘッドライトは高輝度LED製で、従来のものよりも視認性に優れているという。左右それぞれに2灯ずつあり、ロービーム時は外側のみが、ハイビーム時は合計4灯全てが点灯する。

黄金色の帯は輝く稲穂を、淡いピンクの帯はトキの羽の色をモチーフにし、新潟をイメージした色彩とのこと。車体は軽量ステンレス製。
黄金色の帯は輝く稲穂を、淡いピンクの帯はトキの羽の色をモチーフにし、新潟をイメージした色彩とのこと。車体は軽量ステンレス製。

列車の行先はフルカラーのLEDで表示される。行先だけでなく、次の停車駅なども表示することができる。
列車の行先はフルカラーのLEDで表示される。行先だけでなく、次の停車駅なども表示することができる。

乗車口の扉はドア脇のボタンを押して開ける。重い扉を手で開ける必要はない。
乗車口の扉はドア脇のボタンを押して開ける。重い扉を手で開ける必要はない。

ホームと乗車口の間には依然として大きな段差と隙間があり、改善が望まれる部分である。
ホームと乗車口の間には依然として大きな段差と隙間があり、改善が望まれる部分である。

座席はボックスシートとロングシートの2種類があり、さまざまな需要に応えられそうだ。
座席はボックスシートとロングシートの2種類があり、さまざまな需要に応えられそうだ。

小旅行等の際には嬉しい4人掛けのボックスシートは1両につき4区画の設置で、窓の淵はペットボトルなどが置けるよう少し幅が広くなっている。

窓を背にして座るロングシートは11人掛け。座席を4人〜3人〜4人に区切る手摺は単なる区切りとしての機能だけでなく、座席からの立ち上がりを容易にするという面もある。


優先席は一目でそれと分かるように、座席の色だけでなくつり革や壁などの色も変えてあり、さらに床も赤い縞模様でほかと区別されている。
優先席は一目でそれと分かるように、座席の色だけでなくつり革や壁などの色も変えてあり、さらに床も赤い縞模様でほかと区別されている。

車内の照明は全てLEDで、従来の蛍光灯の約6割の消費電力
車内の照明は全てLEDで、従来の蛍光灯の約6割の消費電力

一部のドアの上部には電光掲示板があり、停車中は現在の駅名、走行中は次の停車駅名や行先、駅到着時には到着駅名と開くドアの方向が表示される。
一部のドアの上部には電光掲示板があり、停車中は現在の駅名、走行中は次の停車駅名や行先、駅到着時には到着駅名と開くドアの方向が表示される。

トイレは東三条駅基準で長岡側の車両に設置。車椅子のまま個室に入ることが出来る設計となっており、入口は自動ドア。
トイレは東三条駅基準で長岡側の車両に設置。車椅子のまま個室に入ることが出来る設計となっており、入口は自動ドア。

トイレの向かい側には車椅子やベビーカーで乗車できるスペースがあり、それを示す案内が貼られている。
トイレの向かい側には車椅子やベビーカーで乗車できるスペースがあり、それを示す案内が貼られている。

試運転期間中は車内に立ち入ることはできないので、以上の写真は全てホーム上から撮影した。
試運転期間中は車内に立ち入ることはできないので、以上の写真は全てホーム上から撮影した。

停車中、興味深そうに新型車両を眺める利用者。
停車中、興味深そうに新型車両を眺める利用者。

写真ではお伝えできない「音」の部分の特徴として、列車の車内放送が関東方面で聞き覚えのある女声の自動放送となっており、もちろん英語での案内も付いている。

そして停車中や発車時の騒音がわずかである。最新の技術により、低騒音でしかも115系と比較して約半分の消費電力量で走行できるというのだから、驚きである。

 最近では、来年春に予定されている北陸新幹線の開業に注目や関心が集まっているが、私たちが日常的に利用する列車にも新しい時代が間もなくやってくる。

E129系の営業運転が開始された時には、ぜひ「新型車両に乗って出かける小さな旅」を楽しんでみてはいかがだろうか。

今後、順次E129系にバトンタッチする予定の115系。長い間越後平野を駆けぬけてきた
今後、順次E129系にバトンタッチする予定の115系。長い間越後平野を駆けぬけてきた

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