三条本町2、真宗大谷派三条別院(池守章輪番)は、1年がかりで行われた本堂の修復などを内容とする整備工事が終わり、3日、仮本堂に移していた本尊を本堂に戻す還座式(げんざしき)が行われた。
本尊の阿弥陀如来像は、昨年11月8日に動座式を行って同朋会館2階研修室に設けた仮本堂に移した。仮本堂で池守輪番は、この日を迎えられたことに感謝し、「いつでも親鸞の言葉を聞ける場所としてご縁を結んでいただければ」と願った。
僧りょ十数人で勤行を行ったあと、本尊を輿(こし)に納め、棒で担いで本堂へ行列。本堂の内陣へ入ると、扉を閉じて見えなくした状態で本尊を須弥壇(しゅみだん)に安置して扉を開いた。本堂は天井の照明をLEDに変えるなどして明るくなっており、一段と華やかさや荘厳な雰囲気が増した本堂に包まれるように本尊も映えて見えた。
焼香や勧行のあと、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌記念事業実行委員長の楠雅丸三条教区会議長があいさつした。修復のおかげで本堂内にはすきま風が入らず、外の冷え込みは気にならなかった。50人余りの参拝者があり、続く勤行では再び元の場所に戻った本尊をじっくり拝んだ。
今回の整備工事は、来年5月19日から24日まで行う宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌の記念事業として行った。本堂は100年以上前の1906年(明治6)に再建され、88年(昭和63)に大修復が施されて以来の大がかりな工事。その本堂の修復をはじめ、書院、奥書院、旧御堂まで広範な工事が行われた。
ことしも5日から8日までの4日間、一年で最も大きな行事の報恩講が行われるが、その期間をはずして昨年11月9日に着工、ことし10月25日に引き渡しを受けた。総工費は約2億7,000万円。
本堂は畳が新しくなり、なぜかこれまでなかった念願だった五色幕も購入し、さっそく本堂の前に下げた。また、この日は午後から報恩講を前に毎年恒例の“ごぼさま寄席”が開かれ、約300人が来場して三遊亭金馬さんによる「夢金」をはじめ落語をたっぷり楽しんだ。