ことしも5日から8日まで三条市本町2、真宗大谷派三条別院(池守章輪番)で行われている「お取越(おとりこし)」として親しまれる報恩講にあわせて5日から7日までの3日間、参道周辺で露店市が開かれている。
報恩講は浄土真宗の開祖、親鸞の命日である11月28日にあわせて行われる親鸞に報恩する法要。本山では21日から28日まで行われる。本山の法要には全国の僧りょや信徒も参拝するため、別院や末寺の報恩講はそれより時期を早めて行われている。三条別院は毎年5日から8日までの4日間で、毎日、法要が営まれる。“お取越”とも呼ばれるが、時期を早めるという意味だ。
それにあわせて5日から7日まで開かれる露店市も恒例。ことしは昨年より1店多い50店が出店。昔からお取越には苗木などを売る植木の露店が並んだが、昨年初めて植木の出店がなくなり、ことしも植木はない。
お取越は天気が荒れると言われるが、三条は2、3日と強い風雨に見舞われ、荒天は前倒しになったのか、初日5日は終日、雲ひとつない青空が広がり、気温は19.5度まで上がった。さすがに夜は手袋がほしいくらいに冷え込んだが、好天のおかげで子どもを中心に例年を上回る人出でにぎわった。
1年がかりで本堂の修復工事などが行われたこともあり、本堂の前でさい銭箱に浄財を投じて参拝するだけでなく、本堂に入って見物していく人も多かった。
また、5日は171年ぶりの“ミラクルムーン”が見られた。ミラクルムーンは、「後(のち)の十三夜」と呼ばれ、旧暦ではうるう月を入れて季節とのずれを調整する。ことしは171年ぶりに9月にうるう月が入ったことで、年に1度、9月の十三夜に続いて5日が2回目の十三夜となり、これが「後の十三夜」。夜も晴れた三条では、この珍しい月が夜空にくっきりと浮かんだ。