全日本テーブル筐体(きょうたい)愛好会は8、9の2日間、三条市本町3、あいでん本町店の「いこいの広場」で第2回無料ゲームコーナー「インベーダーハウス in あいでん本町店」を開設しており、地元の子どもから県外のテーブル筐体愛好家まで幅広い人たちが訪れて大にぎわいだ。
同愛好会会長の三条市に住む会社員土屋正(ひじや・ただし)さん(41)が所有する約60台のテーブル筐体から13台を持ち込み、無料で自由に遊んでもらっている。一部は画面が立ち上がって高い市にあるカウンタートップ筐体。1980年代から90年代のゲームが中心だが、いちばん古いものはインベーダーゲーム。ビデオゲームを爆発的に普及させたゲームで、ゲーム基板と筐体が同一ではないが当時のオリジナルの貴重品だ。それに次いで古いのがパックマンだ。
8日は、同店を訪れた親子がたまたまゲームを見つけてお父さんは昭和を思い出しながら懐かしくプレーし、子どもは新鮮な感覚でシンプルなゲームに熱中。一方で長野県や首都圏から訪れている愛好会もあり、兵庫県が訪れると連絡あった人もいた。
神奈川県川崎市に住む愛好家の会社員沼高行さん(41)は、遠路をいとわず8、9日の1泊2日の日程で会場を訪れた。「子どもたちがどう遊んでいるのか見たかった」と沼さん。首都圏でも秋葉原などテーブル筐体を遊べる場所があるが、それはあくまでも愛好家のおとな向け。そこで子どもたちが遊ぶようすは見られないと言う。
7月に開かれた第1回で、子どもたちが遊んでいたと知り、自分の目で確認したいと思った。「主催者に子どもたちのためにという目的があることに共感した」と言い、そのようすを目の当たりにして「大満足ですね。子どもたちがテーブル筐体の楽しさを知り、伝えていくことは大事だと思っていて、見に来て良かった」と感激していた。
会長の土屋さんはそもそも昭和レトロが好きで、なかでも好きなのがテーブル筐体のビデオゲーム。10年ほど前からヤフーオークションによる落札やSNSなどを使った個人売買で本格的にテーブル筐体を収集するようになった。今ではガレージの車2台分のスペースがテーブル筐体に埋め尽くされていると言う。
“全日本”とは大げさだが、全日本テーブル筐体愛好会をつくり、今は三条市を中心に県内の愛好家や協力者など約10人が会員になっている。依頼を受けてことし3月の三条市ボランティアまつりで無料ゲームコーナーを開設したのをきっかけに、主に高齢者の健康を目的にした三条市の「さんじょう108appy(ひゃくはっぴー)事業」の一環として7月に第1回を開いたところ、県外から訪れた人もあり、大好評。今回はそれに続く第2回として開いている。
会場のあいでん本町店は、かつてデパート「まるよし」があった場所。そこにはゲームコーナーがあった。土屋さんは子どものころ、そこでゲームをした口で、今回、セレクトしたゲームは「まるよし時代の再現」にこだわった。
懐かしいゲームは、最近の携帯型ゲームなどにも移植されているが、「テーブルに向かう姿勢や画面がブラウン管であることで、同じゲームでも雰囲気が全然、違うところを味わってほしい」と土屋さん。このあいでん本町店でのゲームコーナーは、今後も少なくとも年1回は開きたい考えだ。2日目の9日は午前10時から午後4時まで開設する。